大正時代、日本初のポップアーティスト竹久夢二の実像に迫った映画『夢二~愛のとばしり』が7月30日に公開を迎え、映画初主演を果たした駿河太郎はじめ、ヒロイン彦乃を演じた小宮有紗、夢二の妻・たまきを演じた黒谷友香、主題歌を担当したピアニストmayo、宮野ケイジが登壇し、初日舞台挨拶を行った。
■駿河太郎:この作品で初主演をつとめさせていただけたのは、凄く有り難かったです。本作は、日本映画として海外で勝負できる映画になったと思います。そして、愛のことを考えるきっかけにもなる作品です。もちろん、愛だけでなく、自分がやりたいことと現実とのギャップに悩むこと、それを見つめ返すことなど、様々な人の心のメッセージがこの映画に詰まっていると思います。
原作を読んだり夢二を調べていくと、夢二はモテる男というか、女性が放っておけない何かを醸し出しているのだと思います。「人たらし」というよりかは「孤高」すぎて、女性が放っておけない男性だったのかと解釈しており、本人はモテるつもりはなかったのでは?と思います。
初めての主演ということ、大正時代に生きた実在の人物を現代の自分が演じることは、なかなか難しく。衣装や照明、美術やメイクに助けていただきましたが、現代に残っていないものもあるので、時代を形にするには、映画を本当に愛してくれているスタッフが集まってくれたからこそ実現できた奇跡ですし、だから僕も演技に集中できました。
黒谷さんも、現場では役の関係性そのままでいてくれて、まったく話しかけてこないのです。挨拶程度しか交わさない現場でした。今日は、登壇前に僕の髪の毛についてるゴミを黒谷さんがとってくれて、やっと夫婦の会話ができたなあと思いました。
映画を観た人が「夢二はしゃあないな」と思ってもらえたら、いいなと思っています。
■小宮有紗:撮影から1年以上経って、今日が迎えられて良かったと思います。
彦乃という女性は凄く純粋で心が透明で、私自身と年齢が近かったので、あの透明感をどうしたら出るんだろうと思いながら、駿河さんや周りのスタッフ、監督に助けていただき演じました。
夢二と出逢ってから、彦乃は徐々に変わっていくのですが、それを意識して演じました。
■黒谷友香:撮影したのはもうだいぶ前になりますが、本日を迎えられて本当に嬉しく思っております。
駿河さん演じる夢二とは夫婦ですが、孤高すぎてあまり距離が近くない独特の夫婦像だったのです。シリアスなシーンが多かったので、本当は駿河さんと喋りたいんですけれど、会話を遠ざけました。
駿河さんのインタビュー記事に「黒谷さんと喋らなかった」というのをを見て、「ああ!そうだった、ごめんなさい」と。
今回、嫉妬する妻たまき役のオファーを受け、何故私に?という、疑問はありましたが、ここまで狂気迫る役柄を演じるのは初めてだったので、演じる前は、「どうしようかな?」と戸惑いもありましたが、現場に助けてもらい演じることができました。
■mayo(岡本真夜):今回は、ピアニスト“mayo”として参加させていただいております。
この楽曲は実はもともとあった曲なのですが、宮野監督が気に入ってくださって、メインテーマ曲になりました。
誰かを愛する真直ぐな気持ちというのは素敵なので、タイトルの「Always love you」通り、一番愛しい人をイメージして描いた曲です。ピアノインストを意識して描いた曲なのですが、映画を観た後、刺激されて言葉が出てきまして、実は歌にもなって最新のアルバムに収録されています。
■宮野ケイジ監督:劇場に足を運んでくださる皆さんが映画の支えになります。
(駿河には)満たされていないというか、苛立ちをうちに秘めている印象がありました。それを起爆剤にしてくれるんじゃないかという期待で、役をオファーしました。
この映画を観ればわかりますが今までとは違う夢二の描き方をしているので、皆さんの心の中に何かしら沁みてくれ感情があればいいなと思います。