ゴダールが絶賛し、トリュフォーが嫉妬したというヴァカンス映画の巨匠ジャック・ロジエが、長篇第2作として発表した「オルエットの方へ」(1971)が、4Kレストア版で7月5日(土)よりユーロスペースにて公開される。ポスタービジュアル(デザインは塚本陽)と予告編が到着した。
9月の初め、パリで働くジョエルは友人のカリーンと一緒に、親戚のキャロリーヌが持つ海辺の別荘を訪れる。ワッフルを食べたりエビを獲ったりと、女三人で気ままなヴァカンスを過ごす中、偶然を装いジョエルの上司ジルベールが出現。彼はジョエルに密かな好意を寄せていたのだ。
退屈しのぎに三人はジルベールと過ごすことに。そんな中、ジョエルは浜辺でヨット乗りの青年に出会い、惹かれていくのだが……。
https://www.youtube.com/watch?v=qa7LBhMWNjg
2023年の特集上映〈みんなのジャック・ロジエ〉ではレストアが間に合わず、上映が叶わなかった「オルエットの方へ」が、ついにスクリーンに登場。併せてゴダールが称賛したロジエの短篇第2作「ブルー・ジーンズ」(1958)も、2Kレストア版で公開決定。さらに〈みんなの〜〉でラインナップに名を連ねた作品群も、〈ジャック・ロジエ監督特集〉として再び上映される。
ギヨーム・ブラック(「みんなのヴァカンス」「女っ気なし」監督)のコメント
ジャック・ロジエの映画は23年も前から私と共にあり、そして「オルエットの方へ」が私にとっての決定的な啓示となりました。
私はこの日、ほんの僅かなことから映画を作ることができ、そしてこの僅かなことを十分に信じてさえいれば、とても大きなものにできることを理解しました。
何よりもまず、私たちはロジエの子供のような視点を再発見し、どこに誘うのかわからない冒険に出発し、予期せぬことや偶然の出来事もゲームのように受け入れ、笑って、たくさん笑って、驚嘆しなければならないのです。
どの作品も、まるで初めて作る作品のように、そしてこれが最後の作品になるかのように取り組む。
思い出になる前に、今を映し取る。
ジャック・ロジエの映画は、常に同じ方向--危険、不確かなもの、自由--を指している不思議な羅針盤のようなものなのです。
※2023年/特集上映「ジャック・ロジエのヴァカンス」に寄せて
「オルエットの方へ」4Kレストア版
監督・脚本・台詞:ジャック・ロジエ
助監督:ジャン=フランソワ・ステヴナン
撮影:コラン・ムニエ
音楽:ゴング
出演:ベルナール・メネズ、ダニエル・クロワジ、フランソワーズ・ゲガン、キャロリーヌ・カルティエ
1971年/フランス/フランス語/カラー/162分/1.37:1/モノラル/DCP
原題:Du côté d’Orouët 日本語字幕:寺尾次郎 配給:エタンチェ、ユーロスペース
© 1973 V.M. PRODUCTIONS / ANTINÉA
「ブルー・ジーンズ」2Kレストア版
監督:ジャック・ロジエ
脚本:ジャック・ロジエ、ミシェル・オグロール
撮影:ロベール・ジャキネ
1958年/フランス/フランス語/モノクロ/24分/1.37:1/DCP
原題:Blue Jeans 日本語字幕:寺尾次郎 配給:エタンチェ、ユーロスペース
© 1957 Jacques Rozier
公式サイト:http://www.jacquesrozier-films.com