
2006年のデビュー以来、『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』など、幅広いアートの知識とキュレーターの経験を生かした作品をはじめ、多くのベストセラーを世に送り出してきた人気作家・原田マハ。そんな原田が2014年に刊行した短編集『あなたは、誰かの大切な人』(講談社文庫)に収録された一編『無用の人』を原作にオリジナル脚本を執筆、自らメガホンをとり映画化。2026年の劇場公開が決定した。
原田マハ ©藤井 保
「無用の人」は、主人公・聡美が監視員として勤める美術館に届いた謎の「鍵」をきっかけに、ひと月前に孤独死した父との記憶をたどり、家族でさえ知らなかった父の晩年の姿が次第に明かされてゆく人間ドラマ。なんの取り柄もなく、家族からも社会からも見捨てられ、ひとり静かに死んでいった父が『愛したもの』とは、一体何だったのか。優しく芳醇な言葉で綴られた父と娘の物語が、原田自身の手によってどのような映像に生まれ変わるのか--。
〈原田マハ監督 コメント〉
「まるで映像を見ているようだった」読者の方々からよく言われます。映像を追いかけるように文章をつづる、そうやっていくつもの物語を書いてきました。そして、いつか自作を自ら映像化してみたいと心ひそかに願っていました。作家になってまもなく20年、ついにその機会が訪れました。私の心の目が追いかけてきた映像を皆様方と共有したい。その思いを胸に、新たな挑戦を始めます。ご期待ください。
「無用の人」
監督・脚本:原田マハ
原作: 原田マハ『無用の人』(講談社文庫『あなたは、誰かの大切な人』収録)
製作:映画『無用の人』製作委員会
製作幹事:anonyme、スールキートス
企画:anonyme 企画協力:Sunborn
制作会社:C&Iエンタテインメント、ポトフ
配給:ビターズ・エンド