提供:キネマ旬報
1950年代末の2ヵ月間にネブラスカ州とワイオミング州で11人を殺したチャールズ・スタークウェザーと恋人キャリル・アン・フューゲートの事件をモチーフに、当時無名だったテレンス・マリックが初長編監督作として、若い男女の逃避行を描いた「バッドランズ」(1973)が日本初公開。3月7日(金)より新宿ピカデリーほか全国で順次上映される。第1弾ビジュアルと特報映像が到着した。
1959年、サウスダコタ州の小さな町。15才のホリーは学校であまり目立たないが、バトントワリングが得意な女の子だ。ある日、ゴミ収集作業員の青年キットと出会い恋に落ちる。そして、交際を許さないホリーの父をキットが射殺した日から、二人の逃避行が始まった。ある時はツリーハウスで気ままに暮らし、またある時は大邸宅に押し入り、魔法の杖のように銃を持ち出しては人々を殺していくキットを、ホリーはただ見つめていた--。
キット役はのちに「地獄の黙示録」(1979)に主演するマーティン・シーン、ホリー役は「キャリー」(1976)のシシー・スペイセク、そしてホリーの父親役は「デリンジャー」(1973)のウォーレン・オーツ。1974年のサン・セバスチャン国際映画祭で金の貝殻賞(テレンス・マリック)と最優秀男優賞(マーティン・シーン)を受賞し、アメリカ国立フィルム登録簿に記載されるなど今や最重要アメリカ映画の一本と見なされている。日本では1980年5月にテレビの深夜映画枠で、「地獄の逃避行」のタイトルで初放映された。
特報映像は、本作の大ファンだったトニー・スコットが「トゥルー・ロマンス」(1993)で、さらにソフィア・コッポラが「プリシラ」(2023)で引用した作曲家カール・オルフによるテーマ曲『ムジカ・ポエティカ』のマリンバの音色が印象的。アメリカ中西部の荒野や永遠のような夕焼けに彩られた、鮮烈にして詩情豊かなロードムービーに心奪われる。
「バッドランズ」
出演:マーティン・シーン、シシー・スペイセク、ウォーレン・オーツ、ラモン・ビエリ
脚本・製作・監督:テレンス・マリック
製作総指揮:エドワード・R・プレスマン
撮影:ブライアン・プロビン、タク・フジモト、ステヴァン・ラーナー
美術監督:ジャック・フィスク
音楽作曲・指揮:ジョージ・ティプトン
1973年/アメリカ/カラー/1.85:1ヴィスタサイズ/5.1ch/DCP/94分
原題:BADLANDS
提供:キングレコード 配給:コピアポア・フィルム
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公式サイト:badlands2025.com