ノンフィクションの傑作『深夜特急』三部作をはじめ、数々のベストセラーを世に放ってきた沢木耕太郎が、半生をかけて追い続けてきたテーマは、ボクシングを通じて〈生きる〉を問うこと。その集大成ともいえる最高傑作『春に散る』(朝日新聞出版)が、人間ドラマの名手、瀬々敬久監督の(『糸』、『ラーゲリより愛を込めて』により映画化、2023年に公開となります。
主人公は、不公平な判定で負けアメリカへ渡り40年振りに帰国した元ボクサーの広岡仁一と、偶然飲み屋で出会い、同じく不公平な判定で負けて心が折れていたボクサーの黒木翔吾。仁一に人生初ダウンを奪われたことをきっかけに、翔吾は仁一にボクシングを教えて欲しいと懇願。やがて二人は世界チャンピオンを共に⽬指し、“命を懸けた”戦いの舞台へと挑んでいくー。
翔吾を導くことで人生に尊厳を取り戻そうとする仁一を佐藤浩市、仁一と出会い、諦めかけていた夢に再度挑戦する翔吾を格闘技経験も豊富な横浜流星が演じます。さらに、山口智子、橋本環奈、哀川翔、片岡鶴太郎、坂東龍汰が出演することも先日発表され、大きな話題となりました。そしてこの度、翔吾の最大のライバルとして立ちはだかる世界チャンピオン・中西利男を窪田正孝が演じることを発表いたします。
ミステリー、ホラー、アクション、コメディと多岐にわたるジャンルの作品に出演し、作品ごとに異なる印象を与え、“カメレオン俳優”としても名高い窪田。今年は5作品もの映画に出演し、来年23年でも数々の出演作の公開が発表されている。益々、目が離せない存在となっている窪田だが、今回満を持して、『64−ロクヨン−』でタッグを組んだ瀬々監督の元、絶対王者として名を轟かせる最強ボクサー・中西を演じることになり、新境地を切り拓く。
窪田演じる中西は、絶対王者として君臨しながらも、飄々とした佇まいで得体の知れない天才ボクサー。ゼロから世界チャンピオンを目指す仁一と翔吾の前に立ちはだかる難攻不落のライバル・中西も、戦いを通じてどんなドラマを見せてくれるのか楽しみな役どころである。
仁一を演じる佐藤とは『64−ロクヨン−』で同僚の刑事役として共演している窪田だが、横浜とは初共演となる。三池崇史監督『初恋』(2020年)では余命宣告を受けたボクサー役を演じており、抜群のアクションセンスと鍛え上げられた体が話題となった窪田が、横浜とどんな勝負を魅せてくれるのか、ご期待ください。
【キャストコメント】
▼窪田正孝(中西利男役)
2016年に公開された映画「64-ロクヨン-」以来、瀬々監督、佐藤浩市さんと再びご一緒できて嬉しく思います。男の闘争本能が書き殴られた脚本、馬鹿で恥ずかしくなるくらい実直な登場人物達。180秒に人生を懸けて、魂を散らす彼等に心惹かれました。優れた身体能力を持つ流星くんと観客が沸き立つような拳闘ができればと思います。
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©2023映画『春に散る』製作委員会