映画『アンネ・フランクと旅する日記』(原題:Where Is Anne Frank)が、3 月 11 日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ他にて全国公開。
1月27日は、国連が定めた「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」。77年前のこの日、ナチス・ドイツのアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所が旧ソ連軍によって解放された。戦争の記憶もホロコーストの生存者も失われつつある今、ホロコーストの記憶と経験を後世に語り継ぐことの必要性が高まっている。
本作は、「現在と過去をつなぐ」、「アンネが最期を迎えるまでの7か月間を描く」という切り口で、日記には書かれていないその先の、ホロコーストについても、現代の子供や若者たちに語り継ぐことを可能にした。
本作の監督・脚本を務めたのは、アンネたちと同じ週にアウシュヴィッツに到着した両親を持つ、イスラエル出身のアリ・フォルマン監督。フォルマンは本作に込めた想いを「この物語のメッセージは、アンネ・フランクの父親オットーやアンネ・フランク基金に同じ、すなわち、ホロコーストを記憶に留めることは過去を学ぶこと。そして、今もなお、世界中に存在する紛争地の子供たちへ想いを馳せることへとつながるのです」と語る。
本作に協力しているアンネ・フランク基金も「今なお多くの子どもたちが紛争地域から逃れ、命の危機にさらされている。私たちが変化をもたらすためには、過去から学ぶ必要があるのではないか。「アンネの日記」を通して、過去を思い起こし、歴史の教訓を学び、ともに生き、対話することで、平和へ向かうように行動する必要がある」と強調する。
アンネからキティーへ、そして観るものすべてへ。過去から現在、そして未来へ。アンネからの希望のバトンはつながれていく。本作に込められた想いを、私たちはどう受け止め、どう行動していくのか。『アンネ・フランクと旅する日記』は、私たちひとりひとりに問いかけている。
あわせて、アンネと母親のエーディトが列車に揺られている場面写真が解禁された。胸に<黄色の星>が縫い付けられたジャケットを着るふたり。このシーンは、日記には書かれていない「アンネが最期を迎えるまでの7か月間」の中の1シーンだ。劇中でアンネは、はじめは「列車に乗って嬉しかった、隠れ家での2年に及ぶ潜伏生活のあと、初めて太陽の光を浴びたから」と語る。だが、ゆっくりと理解し始める。これは自由への列車ではないことを。
今日この日、終着駅が<強制収容所>の列車に乗った無数の人々に想いを馳せてほしい。
© ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND