映画『アンネ・フランクと旅する日記』(原題:Where Is Anne Frank)が、2022 年 3 月 11 日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ他にて全国公開することが決定し、あわせて本作の予告編とポスタービジュアルが解禁。
2009 年にユネスコの「世界記憶遺産」に登録され、「世界で最も読まれた 10 冊」のうちの1 冊に挙げられた「アンネの日記」。これまで幾度となく映像、舞台化されてきたが、本作はアニメーションでしか表現し得ないアプローチで、アンネ・フランクの生涯を、彼女が生み出した“空想の友達”キティーの視点でたどっていく。
監督は、アニメーション映画として初めてアカデミー賞R〈外国語映画賞〉にノミネートされ、ゴールデングローブ賞を受賞した『戦場でワルツを』のアリ・フォルマン。「アンネの日記」をもとにイマジネーションと遊び心に満ちた現代のパートを新たに創出、ふたりの少女の姿を等身大に瑞々しく描いた。
キティーと旅した私たちは、閉ざされた日々にあっても人生を肯定したアンネの美しさを再発見するとともに、今、世界で何が起きているかを再認識させられる。彼女が願い続けた「すべての人が尊重されること」。この祈りにも似た物語は、未来を信じたアンネから、現代によみがえったキティーを経て、観るものすべてに手渡される希望のバトンとなることだろう。
今回解禁された予告編は、博物館のガラスケースが割れ「アンネの日記」に書かれた文字がクルクルと浮かび上がり、ひとりの少女が現れるところから始まる。アンネの“空想の友達”キティーである。時空を飛び越えたことを知らずに、今が 1944 年だと思っているキティーは、親友アンネを探して現代のアムステルダムの街を駆けめぐる。戦時下にありながらも夢を語り、想像力を持って未来を信じ続けたアンネと、そんなアンネの想いを胸に未来へ向かっていくキティー。ふたりの少女が力強く生きる姿に感動が予感できる予告編となっている。現代のアムステルダムを彷彿とさせる細やかな街並み、キティーが屋根から屋根を全力で疾走したり、巨悪であるナチスを大きなサイズで描いたりと、アニメーションだからこそ実現した表現方法にも注目したい。
さらにポスタービジュアルは、過去を生きるアンネと現代をめぐるキティーが左右対照的に描かれている。「新たなページが綴られる」というキャッチコピーにあるように、「アンネの日記」で紡がれることのなかった“その先”をたどるキティー。この物語は、旅の同伴者となった今を生きる私たちに贈られる希望のメッセージでもあるだろう。
【STORY】
「不思議だわ。これほど人間の邪悪な面を見てきても、今なお心の底で私は信じてる。人間の本質は“善”なのだと―――」
現代のオランダ・アムステルダム。激しい嵐の夜、博物館に保管されているオリジナル版「アンネの日記」に異変が起きた。突然、文字がクルクルと動き始めて、キティーが姿を現したのだ!時空を飛び越えたことに気づかないキティーだったが、日記を開くと過去へさかのぼってアンネと再会を果たし、日記から手を離すとそこには現代の風景が広がっていた。目の前から消えてしまったアンネを探して、キティーは街を疾走する...。
© ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND