9月24日(日)新橋のスペースFS汐留ホールで「キセキの葉書」の完成披露上映会が行われ、上映終了後には、ジャッキー・ウー監督、鈴木紗理奈さん、赤座美代子さんが舞台挨拶に立ちました。
本映画でマドリード国際映画祭最優秀主演女優賞を受賞した鈴木紗理奈さんは「人生のご褒美をもらえた気分だった」と喜びのコメント。ジャッキー・ウー監督は「原作に惚れ込んで映画化をしようと思った。実話に基づいた映画なので認知症、鬱病になる前のお母さんを元気なお母さんを描こうとするが、時にはラジカルに、時には攻撃的に生きるお母さんを描けるのは僕かなと思った。鈴木紗理奈さんは勘のいい役者さんだと思う」と本作にかけた想いを語り、赤座美代子さんは「認知症の役はたまにありますが、最初脚本を読んだ時、この母親は娘に愛情があるのかなと思ったが、娘が送ってくる葉書に番号を振れとか言うところがリアリティがあると思えた」と感想を述べました。
鈴木さんは赤座美代子さんのことを「劇中とは違ってとても元気な女性で、私は最近、テニスを始めたのですが赤座さんから『勝つわよ!』と言われました」とエピソードを披露。ジャッキー・ウー監督は脳性マヒの娘を演じた女の子に関して、「関西の役者の女の子で元気な女の子だった。目を開けっ放しにしてくれとか、色々な注文に答えてくれた」と感謝の気持ちを語り、難病の娘の母役を演じきった鈴木さんは「娘役の女の子は自分に負担がかからないように気を使ってくれた。映画の出演の話をいただいた時、なぜ自分に主演のオファーがあったのかと思った。自分だったら鈴木紗理奈は選ばないと思った。でも映画の出演を決めて、監督を信頼してついて行こうと思った」とオファーが来た時の素直な感想を語っていました。
「映画を作りながら感じたことはキセキを人は願っている。キセキを起こさなくてはならない人がいる、そしてキセキを起こす人がいるということでした」とジャッキー・ウー監督。赤座美代子さんは「日本も高齢化社会を迎えていて、この映画を観ると心の中が温かくなります」と語った。鈴木紗理奈さんは「私の実の母親が映画を観て喜んでくれました。子育てをしながら仕事をして、映画の撮影で2、3日家を空けた時もあり、母の支えがあり、賞を取れて、お母さんに恩返しが出来たと思っています。監督に出会えて勘が良いとか才能があるとか言ってもらえて感謝しています」と涙ながらに語りました。
その後、会場に駆けつけていた雪村いづみとエンディングテーマを歌った小林啓子と一緒に記念撮影を行い、完成披露上映会はなごやかに終わりました。
映画『キセキの葉書』は11月4日(土)より渋谷ユーロライブほかにて順次全国ロードショーです。
(C)2017「キセキの葉書」製作委員会