2017年9月に公開となる、是枝裕和監督の最新作のタイトルが『三度目の殺人』に決定!
主演は、第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞、2013年に全国公開し、国内興行成績32億円の大ヒットを記録した『そして父になる』から是枝監督と2度目のタッグとなる福山雅治さん。福山さん演じる弁護士重盛(しげもり)に対峙する殺人犯三隅(みすみ)は是枝組初参加の名優・役所広司さんが演じます。福山さんと役所さんは初共演となります。
今回発表となるキャストは、物語の鍵を握る少女で被害者の娘に、数多くの賞を受賞している女優・広瀬すずさん。『海街diary』以来となる是枝作品2作品目の出演となります。また、テレビCMを始めテレビドラマや映画、舞台など女優として幅広く活躍中の斉藤由貴さんが被害者の妻を演じます。そして、福山さん演じる重盛と事件解明に奔走する司法修習の同期弁護士に吉田鋼太郎さん、重盛の事務所に所属する若手弁護士に満島真之介さんと、福山さんとの初共演でこれまでにない弁護士像を演じきります。また、重盛の弁護士事務所の事務員に松岡依都美さん、本事件の担当検察官に市川実日子さん、重盛の父親役で、30年前に三隅が関わった事件の裁判長だった橋爪功さんと、日本映画界を代表する名優が本作を彩ります。
発表キャストの方々、そして是枝監督からのコメントも到着しております!
【キャスト&監督コメント】
■山中咲江役/被害者の娘:広瀬すずさん
是枝監督は穏やかな印象が強いのですが、台本を読ませて頂いて、こんな事を感じているんだ、考えているんだ、と自分の知らない監督の一面をみているような印象を受けました。そして、また是枝さんの作品の中で生れる時間が凄く幸せです。どんなシーンでも咲江が見ているもの、感じている事を私と同じ感覚で感じてくださって、言葉をくれる監督はやっぱりとても心強く、凄く気持ちがいいです。が、今回はちゃんと自分で台詞を覚えて台本を手に持って現場に入るのが恥ずかしいです。。。笑 少女だからこそ見える世界を大切に、強く立っていたいです。監督、スタッフの皆さん、共演させて頂く先輩方に頼らせて頂いています。
■山中美津江役/被害者の妻:斉藤由貴さん
今回是枝さんの映画に参加させていただくこと、とても楽しみにしておりました。いただきましたのは、卑怯と残酷と愛を併せ持つ女性の役で、演じるのがとても難しいです。けれど、是枝監督の静かで穏やかな演出を受けると、沈黙の静謐の中に宿る答えに辿り着けそうに感じることが出来ます。得難い演技経験を積めることに感謝しています。
■摂津大輔役/弁護士:吉田鋼太郎さん
数々の賞を受賞し、国内外で高い評価を得ている是枝監督とご一緒できるという事で大変光栄に感じると同時にどのような現場になるのか多少の緊張を感じつつ撮影に入りました。作品の世界観が監督の中でしっかりと出来上がっていて、それを的確に役者に演出してくださるので、いつの間にかその世界に引きこまれていました。まだ撮影中ですが、本当に出来上がりの楽しみな作品です。
■川島輝役/弁護士:満島真之介さん
是枝監督の新たな挑戦を直に体感できること。福山さんはじめ、最高の大先輩方とご一緒させてもらえること。身が引き締まります。映画の世界にいる喜びと、感じられる人生の大切なこの時を、思い切り楽しみたいと思います。
■服部亜紀子役/重盛の事務所職員:松岡依都美さん
是枝監督とは『海よりもまだ深く』以来2作品目となります。「是枝作品」に再び出演する事が1つの大事な目標でしたので今回のお話を頂いた時は本当に嬉しかったです。監督と素晴らしいキャスト、スタッフの皆様と共に最高の作品をお届け出来るように楽しみながら頑張りたいです。
■篠原一葵役/検察官:市川実日子さん
事件や裁判を、自分とは別世界のことのように思っていたけれど、実は、自分も関係していることなのかもしれない。初の裁判見学へ行った日に、なぜかそう感じました。初めて参加させて頂く是枝組は、なんというか、とても紳士的な空気が流れています。現場で静かに、じーっと耳を澄ませていらっしゃる是枝監督。是枝監督、事件、裁判。どんな作品になるのか、今、緊張でいっぱいですが、観客としてもたのしみです。
■重盛彰久役/重盛の父、元裁判官:橋爪功さん
是枝監督とは過去に『奇跡』『海よりもまだ深く』でもご一緒させて頂いていますが、今回の現場も静かに進行しながらも、心地の良い緊張感に包まれています。本作の脚本を読んで、法廷心理サスペンスではありつつも、心の奥を垣間見る人間ドラマだと感じました。役柄(主人公・重盛の父親役で元裁判官)も少し難しくあるのですが、演じながら今からとても出来上がりが楽しみな作品です。
■是枝裕和監督/各キャストについて
広瀬すず:
広瀬さんとは『海街diary』で出会って、その後の女優としての成長を作品ごとに感じているのでもう一度きちんと自分の作品の中で向き合ってみたいと思いました。咲江は背負ってるものが多いにも関わらず、人のせいにしない、被害者としてではないあり方をする、今の時代に希有な強さをもった少女だと思います。彼女の持っている芯の強さ、何者にも寄りかからず自分の足で立っている感じを、今回の咲江役でも表現してもらいたいと思っています。
斉藤由貴:
斉藤さんは30年前から部屋にポスター飾るほど憧れた女優さんでした。声のお仕事は以前何度かご一緒していますが、今回念願叶って映画に出演いただきます。当時からアイドルというくくりに収まらない、女優として、各クリエイターがこぞって起用したがる特別な魅力がありましたが、今回もやはり、役がおりてきたときの入り込み方と、その一方でご自身の演技を冷静にみている姿に改めてすごみを感じました。美津江は守るもののために徹底的に自分は被害者だと思い込む人、咲江の対局にある存在をウェットに演じていただいています。斉藤さんと広瀬さんはよく通る、少し影のある声質が似ていて、母娘役に選んだ理由のひとつです。
吉田鋼太郎:
もちろんこれまでの吉田さんの出演作品をみていいと思っていましたが、去年一度映画賞の授賞式会場で初めてお会いしたときの印象が決め手です。あと事務所の近くでばったりお会いしたときの色気ある颯爽とした雰囲気も。摂津は、福山さん演じる重盛より年上の仲間で、世間ズレしているリアリストであり、川島(満島真之介)の対局にいる人。大人の嫌らしさもありつつ、色気も大事な要素で今回ぴったりだったと思います。福山さんとの声の相性も非常に合っていると思います。
満島真之介:
満島さんはコマーシャルでみて気になってお会いしました。目が綺麗でまっすぐで、すごくオープンマインドな人であることが初対面ですぐ伝わり、主人公重盛の真逆にいる川島にぴったりだと思いました。川島は弁護士になってまだ理想を捨てていない、汚れる前の人。重盛、摂津との3人のバランスで2対1になったり、バラバラになったり、結託したりすることを注視したキャスティングでした。
松岡依都美:
『海よりもまだ深く』でご一緒し、出番は少なかったですが、その生な人間味が素晴らしかったのでまたお声がけいたしました。服部はこの弁護士事務所の中で世間を背負って、代表するような立ち位置。観客に近い目線で事件に関わり、感想を言う。松岡さんはそれをリアルに表現出来る人です。
市川実日子:
市川さんはもう20年くらい前になりますが、モデル時代から注目していて最近の女優としての活躍にも目を見張っていました。検察の仕事にプライドを持っていて司法というシステムの一部を担いながらも、その役割にやや疑問を捨てきれない感じが欲しかったので、彼女の濁りのない感じ、透明感が合うのではとお願いしました。
橋爪功:
大好きなんですよねえ。橋爪さんは出演いただけると嬉しくなってしまう俳優さんのひとり。第二の人生を歩きながら、第一の人生に後悔もありながら誇りもある。人に対しても自分に対しても諦めがあり、理想を断ち切っている屈折した父親を演じられる人は他にいないと思いました。インテリジェンスと遊び心が絶妙なバランスで、老いても崩れきらない人間の表現がいつも素晴らしいです。
なお、1月17日(火)北海道にてクランクインした本作は、現在絶賛撮影中、3月にクランクアップ予定となっております。