”きみという女は、からだじゅうのホックが外れている感じだ”
それが園子(村川絵梨)の恋人・越智(安藤政信)の口癖であった。園子は、親が決めた許婚・雨宮(林遣都)と結婚し息子を儲けていたが、そこに愛情はなかった。ある日、転勤となった夫について京都へ移り住んだ下宿で越智と出会い好きになってしまう。生まれてはじめての恋に戸惑いながらも、自身の子宮の叫びは次第に大きくなり抑えられなくなっていく―。
本作は、新進作家として瀬戸内寂聴がまだ瀬戸内晴美として「新潮同人雑誌賞」を受賞するも、1957年(昭和32年)10月「花芯」を『新潮』に発表当時批評家から「子宮作家」との批判を浴び、長く文壇的沈黙を余儀なくされた、鮮烈な恋愛文学です。
8月6日(土)、映画公開を記念して、村川絵梨、林遣都、安藤政信、藤本泉、落合モトキ、毬谷友子、安藤尋監督といった豪華キャスト陣による初日舞台挨拶が行われました。立ち見が出る程の、満席の会場。豪華キャスト陣と安藤尋監督が登場すると、大歓声が巻き起こりました。
村川さんは「思い入れがとても強い作品でした。約1年半前に撮影し、約11日間という撮影期間でしたが、とても濃厚な時間を過ごしました。安藤監督から、直接園子という役を打診され光栄でしたが、私に務められるのかなと不安がありました。ただ、やるしかない、チャレンジしなければ一生後悔するなと思いました。皆様に見てもらえて本当に嬉しいです。」と作品に対する思い入れを語りました。
司会者から村川さんとの共演シーンに対する印象を聞かれた林さんは「撮影前から相当な覚悟で臨んでいて、役と真摯に向き合っている姿がありました。本当だったらスマートに支えられたらなと思っていたのですが、そんな余裕はなく、負けていられないなと思いました。私も全てをさらけ出し、ぶつけていきました。」と答え、お二方の作品に対する真摯な姿勢が印象的でした。
司会者による質疑応答の最中、瀬戸内寂聴さんからの手紙が読まれ、作品発表後の彼女の当時の苦悩と、映画化に対する喜び、感謝を聞き、会場は感動に包まれました。
村川さんは最後に「男性と女性で、感じることが違う映画だと思います。いつか、見た感想をどこかでお伺いしたいです。楽しんでください!本日はありがとうございました。」と締めくくり、大歓声のうちにイベントは終了いたしました。
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原作:『花芯』瀬戸内寂聴著(講談社文庫刊)
監督:安藤尋 脚本:黒沢久子
出演:村川絵梨、林遣都、安藤政信 /毬谷友子
配給:クロックワークス
製作:東映ビデオ、クロックワークス
製作プロダクション:アルチンボルド
制作協力:ブロッコリ、ウィルコ
2016年/日本/95分/ビスタサイズ/DCP5.1ch/R15+
(C)2016「花芯」製作委員会