『ハロルドが笑う その日まで』グンナル・ヴィケネ監督インタビュー

  • 登壇者:グンナル・ヴィケネ監督
『ハロルドが笑う その日まで』グンナル・ヴィケネ監督インタビュー
提供:シネマクエスト

北欧の誇り高き小さな家具屋の店主と、世界最大の家具販売店イケアの創業者。2人の出会いが“幸せ”の化学反応を引き起こす、観終わった後に明日への一歩を後押ししてくれるヒューマンドラマ『ハロルドが笑う その日まで』。
4月16日に公開を控え、グンナル・ヴィケネ監督のインタビューが届いた。

映画のきっかけは?

■ヴィケネ監督:私が敬愛するノルウェーの作家Frode Gryttenの短編に登場するハロルド・ルンデという人物に魅せられました。架空の敵相手に勇敢に戦い、生きるための理由と自分の存在意義を追い求める姿がドン・キホーテを想起させて実に魅力的なのです。

ノルウェーの俳優 ビョルン・サンドクヴィストを起用した理由は?

■ヴィケネ監督:彼は多面性のある俳優で、演技の幅が驚くほど広い。脚本を書き始める前に、ハロルドの役は彼しかいないと確信していました。また、映画と同じぐらい舞台でも活躍する彼が持ち合わせている英知と他者への寛大さを尊敬していました。

カンプラード氏に本人役で出演してもらいたいとは思いませんでしたか?

■ヴィケネ監督:もちろん思いました。でも86歳の老人に、凍った池に落ちるシーンを頼むことはできませんからね。

特殊効果は使用していないのですか?

■ヴィケネ監督:ほぼ使用していません。彼らは本当に凍った池の水の中でバタついていました。靴を履いたままね。
寒さが撮影中の唯一の困難だったと言えます。撮影したスウェーデンの北部は、撮影中常に-30℃以下で予想以上に過酷でした。ハロルドの店は私の出身地でもあるベルゲンの近くオサネで撮影されました。実際にあるIKEAの店舗の隣です。撮影監督のシーモン・プラムステンがとてもいい仕事をしてくれました。

本作をどのように形容しますか?ロードムービーでしょうか?

■ヴィケネ監督:特にどのジャンルにも当てはまらないと思います。私は観客を驚かせることが好きで、慣例や垣根といったものを取り払いたいと思っています。それと同時に、根底にある意味や間というものを大切にしています。人間が好きなんです。特に、誠心誠意行っているにも関わらず、失敗したり、まったく間違った方向に進んで行ってしまうような人に弱い。彼らの姿は私を笑顔にし、時に笑わせてくれます。でも決してからかっているわけではありません。ユーモアと優しさはとても相性がいいんです。口の悪いハロルドの妻マー二ィも私は大好きです。私が映画のなかで老いや、老いていくことについて語るとき、それは自身の過去を遠ざけないのも大切だけれど、それ以上に新しい人に出会い、前に進み続けることこそが大切なんだということを伝えたいからです。

最終更新日
2016-03-31 01:00:02
提供
シネマクエスト

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