メニイ・クラシック・モーメンツ 作品情報
めにいくらしっくもーめんつ
オーケストラの奏でる壮大な音楽に彩られながら、ショーン・トムソンのバックドアでの完璧なチューブライディングで、映画は幕を開ける。スローモーションで映し出されるこのチューブは、攻撃的でありながら、息をのむほど美しく、強烈な印象を残す。本作には、ビッグ・ウェーバーにしか乗りこなせない巨大な波は登場しない。ジェームズ・ジョーンズが、ワイメアで素晴らしいチューブライディングを披露する以外は、マリブやオーストラリア、カリフォルニア、南アフリカ、ハワイなど、世界中の美しい波に乗るサーファーたちの幸せな姿を追っていく。本作の魅力は、ふたつとして同じものはない波を待ち、それを捉える一瞬に賭けるサーフィンというスポーツの素晴らしさと、波に身を委ね、一瞬を自分のものにする幸せを美しい映像で表現した点にある。その映像にマッチするのが、作品を通して流れるカラパナの曲。聴く者すべてにハワイの景色を感じさせるその音楽は当時、サーファーだけでなく、幅広い人々も虜にした。そして、贅沢の極みとも言えるロンドン・フィルによるオーケストラ演奏。監督のゲイリー・ケイポは、カラパナの音楽とバテンス、マーク、デーンなどのライディングを完璧に調和させることに莫大な編集時間を費やした。そのマッチングが、映画の完成度をさらに高めている。せわしない現代において、大人になるにつれ、多くの人が忘れ去ってしまう“夢中になる喜び”を思い出させてくれるのが、この作品だ。
「メニイ・クラシック・モーメンツ」の解説
1970年代、サーファーやフィルムメーカーたちに多大な影響を与えた伝説のサーフムービーのディレクターズカット版をHDリマスターして劇場公開。世界各地の波に乗るサーファーたちの姿を捉えた美しい映像を、ロンドン・フィルのオーケストラ演奏が彩る。ショーン・トムソン、ジェームズ・ジョーンズら当時の有名サーファーたちが登場。監督・脚本・製作はゲイリー・ケイポ。初監督した本作の映像の美しさで注目を集め、「シン・レッド・ライン」「ミッション・インポッシブルII」「ダイ・ハード4.0」「ラスト・サムライ」などのセカンドユニット撮影監督として知られる。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2024年7月6日 |
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キャスト |
監督:ゲイリー・ケイポ
出演:バンテス・カルヒオハラニ デーン・ケアロハ マーク・リデル ミッキー・ドラ ジェームズ・ジョーンズ ショーン・トムソン マーク・リチャーズ |
配給 | レイドバック・コーポレーション |
制作国 | アメリカ(1976) |
上映時間 | 78分 |
公式サイト | http://www.laidback.co.jp/2024/index.html |
予告編動画
※音声が流れます。音量にご注意ください。
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ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、2件の投稿があります。
P.N.「自然は自らの行為を跳ね返す。」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-07-18
つい先日の海の日に先駆けて公開された『エンドレス・サマー』を鑑賞して、ふと、サイトを確認してたら、こちらの作品を見つけて、早速、足を運びました。
やはり、『エンドレス・サマー』の影響がみられ、その後の世代が、より、ダイナミックに、技法や演出に走って行く流れが見てとれる。
かつて、店頭などで、イメージ映像が流れていて、だいたいサーフィン映像だった頃、あぁ、この影響があるなぁと感じさせる。
若い世代は、先輩を超えて行くもの。
先輩の歴史があって、それをより、楽しんで行く様が見てとれる。
良かったのは、主要の若者が、海に対する憧れや敬意、畏怖の念をまだまだ持っていること。
まだまだ、粗削りな自然が残る約50年前だからこそ、若者が無邪気に楽しむ姿が印象的作品でした。