ハイゼ家 百年 作品情報

はいぜけひゃくねん

ハイゼ家の祖父ヴィルヘルムは、ユダヤ人女性の彫刻家エディトと結婚。だがそれは、ナチス・ドイツではタブーとされた混血婚だった。やがて、息子ヴォルフガングとハンスが誕生。しかし、第一次世界大戦後の混乱の最中、ナチスが台頭し、ユダヤ人排他主義が高まったことで1933年、ヴィルヘルムは教職を追われる。そして1942年1月18日、ウィーンで暮らしていたエディトの家族もホロコーストにより、ポーランドへ強制送還される。第ニ次世界大戦末期の1944年、ヴォルフガングはハンスと共にゲシュタポに逮捕され、強制労働所に送られるが、戦後は学術の道へ。1952年、大学の研究所で働いていたヴォルフガングは、ドレスデン大空襲を生き延びた女性ロージーと出会い、結婚。息子のアンドレアスとトーマスが誕生する。冷戦期の1960年代、フンボルト大学で哲学を教えていたヴォルフガングと、文芸雑誌の編集者として活躍するロージーは、共に多くの知識人と交流。だが、反体制派の芸術家たちと交流を持つ一家は、絶えず秘密警察シュタージの監視下に置かれることとなった。抑圧は次第に強まり、1966年、大学を追われたヴォルフガングは精神を病み、家族と離れて暮らすことに。そして1974年、ヴォルフガングの息子トーマスは人民軍に徴兵されるが、兵役を終えた後、カメラを手に東ドイツの若者の姿を記録し始める。体制に迎合しなかったため、映画を作ることは簡単ではなく、不当な逮捕も経験したが、それでもトーマスはドキュメンタリーの制作をやめなかった。社会主義共同体を信じたロージーは、ベルリンの壁崩壊後も終わらない国家による暴力と支配に失望。2014年、トーマスは年老いた母ロージーの病院を訪れる。同年、兄アンドレアスも亡くなる。ベルリンの壁崩壊から30年。不世出のドキュメンタリー作家が問いかける在りし日の家族と故郷が自身にとってもたらすものとは……。

「ハイゼ家 百年」の解説

旧東ドイツ出身の映画監督トーマス・ハイゼが、自身の家族が19世紀後半から保管してきた家族の手紙や日記、音声記録を元に一家が歩んだ激動の100年を振り返ったドキュメンタリー大作。ナチスの台頭や第二次世界大戦、東西分裂を乗り越えたその歩みとは。1955年生まれのトーマス・ハイゼは、1970年代後半からドキュメンタリーの制作を開始。だが、80~85年にかけて制作した5作は、体制にとって相応しくないとされ、ベルリンの壁崩壊まで上映が禁止されていた。本作が日米での劇場初公開作品となる。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2021年4月24日
キャスト 監督トーマス・ハイゼ トーマス・ハイゼ
出演トーマス・ハイゼ
配給 サニーフィルム(協力:ゲーテ・インスティトゥート)
制作国 ドイツ=オーストリア(2019)
上映時間 218分
公式サイト https://www.sunny-film.com/100years

(C)ma.ja.de filmproduktions / Thomas Heise

予告編動画

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最終更新日:2022-07-26 11:03:18

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