この世界の(さらにいくつもの)片隅に 作品情報
このせかいのさらにいくつものかたすみに
昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃。18歳で広島から呉の北條家に嫁いだすず(声:のん)は、夫・周作(声:細谷佳正)とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。だが戦況は次第に悪化、すずたちの生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。そんなある日、すずは迷い込んだ遊郭でリン(声:岩井七世)と出会う。境遇は異なるが、呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、すずは周作とリンとのつながりを感じ取るのだった。昭和20年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。そして昭和20年の夏がやってくる……。
「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の解説
2016年に公開され、第90回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第一位を受賞した「この世界の片隅に」に約30分の新規シーンを追加した別バージョン。主人公すずとリンとの交流、妹すみを案じて過ごすなかで迎える昭和20年9月の枕崎台風のシーンなどが追加された。新しい登場人物や、これまでの登場人物の別の側面なども描かれ、すずたちの心の奥底で揺れ動く複雑な想いを映し出す。前作に引き続き、主人公すずをのんが演じるほか、すずの夫・周作を細谷佳正、周作の姪・晴美を稲葉菜月、周作の姉・径子を尾身美詞、すずの旧友・哲を小野大輔、すずの妹・すみを潘めぐみ、すずと仲良くなる女性リンを岩井七世といったボイスキャストも続投。監督・脚本は、前作で第90回キネマ旬報ベスト・テン日本映画監督賞を受賞した片渕須直。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2019年12月20日 |
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キャスト |
監督:片渕須直
原作:こうの史代 出演(声):のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓 京田尚子 世弥きくよ たちばなことね 瀬田ひろ美 小山剛志 津田真澄 佐々木望 塩田朋子 |
配給 | 東京テアトル |
制作国 | 日本(2019) |
(C)2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
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ユーザーレビュー
総合評価:4.33点★★★★☆、3件の投稿があります。
P.N.「くーまん」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-03-03
前作にシーンをいくつか付けたしただけだろうと思っていたが、「新作は前作とはまったく違う味わいの映画だ」という多くの口コミを見て、本当かどうか確認も含め観賞した。
原作の漫画にある、遊郭のリンさんとすずさんとの絡み、より深いすずさんの心情などが描かれたことで、人間らしさが強調され前作とはまったく違う感動が湧きあがった。
新たなシーンによって、前作のシーンにある台詞が二重の意味を持つようになっていたり、作品全体が深みを増していた。
観賞前、168分は長いだろ…と思っていたのに、とんでもなかった。いつもなら映画館で泣くのは恥ずかしいので、ウルウル程度で我慢しているが、この作品は…こらえきれなかった。
悲しいできごとを悲しく観せない描き方。でもそれが一層、グッときてしまう。今までにない映画かもしれない。