ギリシャに消えた嘘 作品情報

ぎりしゃにきえたうそ

1962年。ギリシャのアテネでツアーガイドをしているアメリカ人青年ライダル・キーナー(オスカー・アイザック)は、パルテノン神殿を訪れた際、優雅な装いのアメリカ人夫婦、チェスター・マクファーランド(ヴィゴ・モーテンセン)と若く美しいその妻コレット(キルステン・ダンスト)と知り合う。コレットの依頼でガイドを引き受けたライダルは、夫妻と夕食を共にして、楽しいひと時を過ごす。その夜、夫妻の元へ1人の探偵が訪ねてくる。実はチェスターは、ニューヨークで裏社会の連中を相手に投資詐欺を働き、大金を奪って逃亡中だったのだ。揉み合いの最中、誤って探偵を殺害してしまったチェスターは、偶然ホテルにいたライダルに嘘をつき、協力を要請。やむなくライダルは偽造パスポートの制作を知人に依頼し、後日、クレタ島で受け取る段取りを整える。アテネを脱出し、船とバスを乗り継いでクレタ島に向かう途中で身の上話を語り合う3人。しかし、親しげにコレットと接するライダルに嫉妬の炎を燃やしたチェスターは、次第に酒を飲んで粗暴な言動を繰り返すようになってゆく。一方、ラジオのニュースでチェスターが探偵を殺害した事実を知ったライダルは、正当防衛が認められるからと自首を勧めるが、相手にされない。逃亡を助けて共犯者となったライダルも、既に後戻りできない。そんな2人の男の微妙な緊張関係は、チェスターとコレットの夫婦仲にも深い溝を生じさせてゆく。遂に夫婦を殺人容疑で指名手配した警察が大規模な捜査を開始。そのプレッシャーに耐えかねたコレットは、衝動的にバスを降りてしまう。港を目指して、荒涼とした大地を歩き続ける3人。ところが夜、雨宿りのため立ち寄ったクノッソスの遺跡で、コレットに悲劇が降りかかる。やがて厳重な警察の包囲網を潜り抜け、トルコのイスタンブールへ辿り着いた彼らを待ち受けていたのは、思いもよらぬ残酷な運命だった……。

「ギリシャに消えた嘘」の解説

パトリシア・ハイスミスの小説『殺意の迷宮』を映画化したサスペンス。過って殺人を犯し、逃避行を繰り広げる夫婦とその知り合いの青年が辿る運命を描く。出演は「危険なメソッド」のヴィゴ・モーテンセン、「メランコリア」のキルステン・ダンスト。「ドライヴ」などで脚本家として活躍してきたホセイン・アミニが初監督に挑戦。

「ドライヴ」の脚本家が、実力派キャストを束ね監督デビューを果たしたドラマ。1962年、アテネでガイドとして働くライダルは優雅な夫妻と親しくなるが、詐欺師の夫が犯した殺害事件に巻き込まれ運命が狂いだす。原作はパトリシア・ハイスミス。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2015年4月11日
キャスト 監督ホセイン・アミニ
原作パトリシア・ハイスミス
出演ヴィゴ・モーテンセン キルスティン・ダンスト オスカー・アイザック デヴィッド・ウォーショフスキー デイジー・ビーヴァン イーイト・オズシュネール プロメテウス・アレイファー カラヤニ・マルゴー ジェームズ・ソボル・ケリー オミロス・ポールアキス
配給 プレシディオ
制作国 イギリス フランス アメリカ(2014)
上映時間 96分

(C) 2014 STUDIOCANAL S.A. All rights reserved.

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ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2023-11-09

「ドライヴ」で素晴らしい脚本を披露した、ホセイン・アミニが初めて監督する「ギリシャに消えた嘘」は、「殺意の迷宮」を原作としている。

アテネでガイドとして働き、若い女性をカモにする青年オスカー・アイザックは、パルテノン宮殿で見かけた富豪の妻キルスティン・ダンストに恋心を抱く。

しかし、夫のヴィゴ・モーテンセンは、ニューヨークではたらいた投資詐欺で逃亡中の身だった。

ヒロインをめぐっての三角関係と、先の読めない逃避行の物語が展開していくが、そこかしこに、ルネ・クレマン監督の名作「太陽がいっぱい」へのオマージュを見て取れる。

1960年代のファッションが醸しだす、時代の空気も濃厚で、クレタ島やイスタンブールといったロケ地のエキゾチズムともあいまって独特の雰囲気を盛り上げている。

イラン出身のこの監督、入国審査の場面のじりじりするような緊張感や、迷路のような街中での追跡劇なども見事で、久々に登場したヒッチコックの後継者として有望株と言えそうだ。

最終更新日:2023-11-19 16:00:02

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