千年の愉楽 作品情報

せんねんのゆらく

紀州のとある路地。ここで産婆をしてきたオリュウノオバ(寺島しのぶ)は最期の時を迎えている。オバの脳裏には、オバが誕生から死まで見つめ続けた男たちの姿が浮かんでいた。美貌を持ちながらもその美貌を呪うかのように女たちに身を沈めていった半蔵(高良健吾)。刹那に生き、自らの命を焼き尽くした三好(高岡蒼佑)。路地を離れ北の大地で一旗揚げようとするも夢破れた達男(染谷将太)。オバは自らの手で取り上げた彼らを見つめながら、あるがままに生きよと切に祈り続けた。オバの祈りは時空を超え、路地を流れていく……。

「千年の愉楽」の解説

『軽蔑』『十九歳の地図』など紀州を舞台にした名著を多く遺した中上健次の同名短編小説(河出書房新社・刊)を「キャタピラー」「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」の若松孝二監督が映画化。三重県尾鷲市を舞台に、産婆の目を通して、路地に生まれた男たちが命の火を燃やす様を描く命の讃歌。若松監督の「キャタピラー」に出演し第60回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞した寺島しのぶが男たちの生き様を見つめ続ける産婆を演じる他、「マイウェイ 12,000キロの真実」の佐野史郎、「軽蔑」の高良健吾、「さんかく」の高岡蒼佑、「ヒミズ」の染谷将太らが出演。第69回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門正式招待作品。若松監督の遺作となった。

2012年に急逝した若松孝二が盟友・中上健次の代表作を映画化した人間ドラマ。女たちに愉楽を与えることを糧に生きる中本の美しい男たち。産婆オリュウノオバは彼らの生き死にを世代を超えて見てきた。そんなオリュウは今、生死の境を彷徨っていた。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2013年3月9日
キャスト 監督若松孝二
原作中上健次
出演寺島しのぶ 佐野史郎 高良健吾 高岡蒼佑 染谷将太 山本太郎 井浦新 原田麻由 増田恵美 並木愛枝 地曵豪 安部智凛 石橋杏奈 瀧口亮二 岡部尚 山岡一 水上竜士 岩間天嗣 大谷友右衛門 片山瞳 月船さらら 渋川清彦 大西信満 石田淡朗 小林ユウイチ 大和田健介 真樹めぐみ 大西礼芳
配給 若松プロダクション=スコーレ
制作国 日本(2012)
上映時間 118分

(C)若松プロダクション

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最終更新日:2024-04-10 02:00:11

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