その木戸を通って 作品情報

そのきどをとおって

城勤めの武士・平松正四郎(中井貴一)は娘・ゆかの婚礼の日、17年前に姿を消したふさ(浅野ゆう子)のことを思い出していた。17年前のある日、正四郎は御勘定仕切りの監査のために数日間、城中に詰めていた。廃家になっていた名門平松家再興の当主に選ばれた正四郎は、城代家老の娘との縁談が決まっていた。ところが縁談の仲立ちをした中老・田原権右衛門(フランキー堺)が正四郎を呼びつけ、正四郎の留守宅にいる娘は誰かと尋ねた。しかも婚約者もその現場を見てしまい、先方から抗議が来ているという。心辺りのない正四郎はその娘に会うが、やはり見覚えはない。娘も正四郎を知らなかった。それどころか“平松正四郎”という名前以外、自分自身のことさえも忘れてしまっていた。家扶の吉塚助十郎(井川比佐志)と妻・むら(岸田今日子)は娘の面倒をみようと申し出るが、正四郎は娘を追い出す。しかし心が変わり、家に連れ戻す。娘はふさと名付けられ、正四郎をはじめ、誰からも愛されるようになる。正四郎は家老の娘との縁談を破談にし、ふさとの結婚を決める。最初は反対した正四郎の父親(石坂浩二)も、婚礼の日には結婚を認める。やがて娘が生まれ、正四郎の母と同じゆかと名付けられる。ある夜、ふさは一点を凝視しながら「これが笹の道で、この向こうに木戸があって……」と呟いて倒れるが、正四郎の胸にもたれかかると、何事もなかったように正気に戻った。しばらくして、例年の御勘定仕切りが始まる。正四郎が3日間城中に詰めていると、助十郎が面会に来る。ふさが竹林の庭から出ていったきり、姿が見えなくなったのだ。正四郎の目に、ないはずの木戸が映る。そして17年後のゆかの婚礼の日、元使用人から、ふさとそっくりの女を見たという手紙が来る。正四郎は急いでその女を見に行くが、人違いであった。

「その木戸を通って」の解説

城勤めの武士と記憶喪失の娘のかけがえのない日々を描いた、山本周五郎の短編小説が原作の時代劇。「犬神家の一族」の市川崑が1993年にハイビジョンドラマとして制作。その後35ミリフィルムに変換され、ヴェネチア国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭で上映されていたが、2008年にようやく劇場公開となった。出演は、「藏」の浅野ゆう子、「壬生義士伝」の中井貴一。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2008年11月8日
キャスト 監督市川崑
原作山本周五郎
出演浅野ゆう子 中井貴一 榎木孝明 うじきつよし 桜金造 白島靖代 光石研 渕野一生 古柴香織 出川哲朗 吉沢梨絵 石坂浩二 山口真司 世古陽丸 土屋汐里 岡田茂 宮内ゆう子 平井靖 橋本和博 池田勝志 元谷公美 畑誠 蛯名勝 東田達夫 神山繁 岸田今日子 井川比佐志 フランキー堺
配給 ゴー・シネマ
制作国 日本(1993)
上映時間 92分
公式サイト http://www.ponycanyon.co.jp/sonokido/

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「その木戸を通って」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2022-07-26 11:03:34

広告を非表示にするには