赤い風船(デジタル・リマスター版)(1956) 作品情報
あかいふうせん
ある朝、パスカル(パスカル・ラモリス)は、街灯に引っ掛かっているひとつの赤い風船を見つける。パスカルは街灯によじ登って風船を手に取り、いつものバスで学校へ行こうとするが車掌に断られてしまう。仕方なく風船を持ったまま走って学校へと向かい、門番に風船を預けてパスカルは教室へ入っていった。放課後、しっかりと風船の紐を握って帰るパスカル。途中、雨が降ってくると、傘を開いている人を見つけて風船を傘の中に入れてもらう。パスカルが家に着くと、母親は風船を取り上げ、窓の外に放り出してしまうが、風船はフワフワと窓のそばに留まっている。パスカルは再び風船を掴んで部屋の中に入れるのだった。翌朝もパスカルは風船を持って学校へと向かった。パスカルはひとりバスに乗るが、あとを追うように風船は付いてくる。放課後、パスカルの風船を取り上げようと、いたずらっ子たちがパスカルを追いかけてきた。なんとか逃げのびたパスカルだったが、買い物をしている隙にいたずらっ子たちが風船を奪ってしまう。彼らは風船に向かって石を投げつけ、やがて風船はしぼんでしまう。風船の傍らで泣き出すパスカル。すると、街中の色とりどりの風船がパスカルの元へ集まってきた。パスカルはたくさんの風船を掴んで、大空へと舞い上がっていった……。
「赤い風船(デジタル・リマスター版)(1956)」の解説
少年と赤い風船の交流を詩情豊かに描き出したファンタジー。監督・脚本は「素晴らしい風船旅行」のアルベール・ラモリス。撮影を「ラ・ブーム」シリーズのエドモン・セシャンが担当。出演は監督の実子で「白い馬」のパスカル・ラモリスほか。1956年カンヌ国際映画祭パルム・ドール(短編)受賞作。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2008年7月26日 |
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キャスト |
監督:アルベール・ラモリス
出演:パスカル・ラモリス サビーヌ・ラモリス ジョルジュ・セリエ ヴラディミール・ポポフ ポール・ペレー ルネ・マリオン ミシェル・プザン |
配給 | カフェグルーヴ=クレストインターナショナル |
制作国 | フランス(1956) |
上映時間 | 36分 |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「グスタフ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-09-12
少年と風船の友情を美しいパリの街並みを舞台に描いた映像詩。考え尽くされた絵画的なショットの洗練さにラモリス監督の演出力の素晴らしさを痛感。風船の自然な動きを捉えた撮影技術の巧みさも想像を超えたもので深く感銘しました。ラストたくさんの風船に導かれて少年が空高く上がる、ラモリス監督らしい世界観が印象的です。表現と主題が見事に調和した完成度の高い短編映画の名作。