いま ここにある風景 作品情報

いまここにあるふうけい

※本作はドキュメンタリーのためストーリーはありません。

「いま ここにある風景」の解説

経済発展を続ける中国をカメラに収めるカナダ人写真家エドワード・バーティンスキーの姿を追い、その矛盾と世界の環境について考察したドキュメンタリー。「ポール・ボウルズの告白 シェルタリング・スカイを書いた男」のジェニファー・バイチウォル監督が、バーティンスキーの『産業の風景』シリーズにインスパイアされて製作した。中国。果てしなく延々と続く巨大な工場の中。“世界工場・世界通路”と書かれた壁。敷地内の大通りに、制服に身を包んだ工場従業員が続々と集まってくる光景をカメラに収める男がいる。彼の名はエドワード・バーティンスキー。バーティンスキーは世界をよりよく変えるプロジェクトを実行する人物に与えられる第1回TED賞を受賞。世界中の『産業の風景』を収めた一連の写真シリーズが評価された彼は、それを撮り始めたきっかけを語る。“原料はどこから来るのか、私たちは漠然と知っているのにそこから切り離されている。それを意識に呼び起こす写真が撮りたい”と。中国にある世界最大のアイロン工場では原料が製品になる一方、廃棄されたアイロンも積み上げられた“再生資源のゴミ”の山が存在し、大勢の作業員が分別を行う。電子機器のゴミのリサイクルで知られる町では、有毒物質による大気汚染、水質汚染が心配される中、人々が笑顔も見せながら作業を続けている。経済発展に伴い、造船ブームに沸く港湾地区では、90年代初頭にはなかった造船所が建っている。一方、バングラデシュでは20歳過ぎの若者たちが、古い船舶の解体作業で船底に残った原油を素手でかき出している。石油、石炭の採掘場という中国の経済発展を支える資源産出現場の光景をカメラに収めた後、バーティンスキーは世界最大の水力発電量を誇る三峡ダムへ向かう。ダムは洪水を防ぎ、原子力発電と火力発電を抑制する一方、13もの町を水底に沈め、110万人以上の人々を強制移住させた。環境に多大な影響を与える工事に携わる労働者の賃金は1日あたり20~30元だという。世界最大の都市模型が観光客を集める上海都市計画展示館。上海は世界最速で都市化が行われた中国の経済発展の象徴である。裕福な不動産業者の邸宅と昔ながらの庶民の暮らしが対照的に映される。中国の“産業の風景”はこれからも拡大し続けるのだろうか。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2008年7月12日
キャスト 監督ジェニファー・バイチウォル
配給 カフェグルーヴ=ムヴィオラ
制作国 カナダ(2006)

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最終更新日:2022-07-26 11:03:35

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