ジャーヘッド 感想・レビュー 1件

じゃーへっど

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P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-31

かつて、テレビのニュースが伝えた湾岸戦争は、空を飛ぶミサイルを捉えても、そこにいた人々の顔は見えなかった。

この映画「ジャーヘッド」は、あの時、あの場所にいた、アメリカの海兵隊の若者の目線で見た、戦場の現実を描き出す。

原作は、アメリカでベストセラー小説となった「ジャーヘッド/アメリカ海兵隊員の告白」。
タイトルは、お湯を入れるジャーの形をした、ヘアスタイルから海兵隊員の事を指すということだ。

海兵隊に志願したアンソニー・スオフォード(ジェイク・ギレンホール)が主人公。
厳しい試練や新人いじめを乗り越えたが、配属先のサイクス三等曹長(ジェイミー・フォックス)の訓練も過酷だった。

プレッシャーに耐えかねた、仲間の死亡事故まで起きてしまう。
そして、ようやくスオフォードらの隊は、サウジアラビアへと派遣されることになる。

しかし、狙撃兵として現地入りしたものの、当面の任務は油田の警備。 若い兵士らの士気は上がっているのに、目に見える敵のいない毎日は、待つ事が仕事なのだ。 兵士同士で、恋人から人生についてまで語り合うが、スオフォードの退屈で孤独な気持ちは強くなるばかり。 気持ちははやるが、やることがなく鬱屈していく若者の姿は、戦場特有のものというより、どこか普遍的だ。 手に汗握る銃撃戦のないスオフォードの戦争は、燃え上がる油田の幻想的な光景で最高潮を迎える。 恐怖と退屈、そして絶望的に変わらない日々。 画面の中では誰もが見たことのなかった戦争の風景を、サム・メンデス監督がくっきりと浮かび上がらせている。

最終更新日:2024-06-10 16:00:02

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