P.N.「グスタフ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2019-09-18
息子を救おうとして塔から墜ちて死んだ父親は、旧ソビエト連邦の象徴化であり、ロシアがこれから進むべき路を二人の息子たちに託す形で終わっている。父の存在に対して、不信感と対応のジレンマに苦悩する子供たちに、ロシアのけして明るくはない未来を予想させるのだが。情愛を知ることなく、畏敬の念でただ旅を続ける末のあっけない父の死。そこに兄と弟を対比させて、進むべき路の二者択一を提起する物語。
必要最低限の筋道と設定説明の現在進行の映像で纏めた実にユニークな企画のロシア映画でした。