化粧師 KEWAISHI 作品情報

けわいし

大正初期の東京・下町に、少しばかり偏屈な小三馬という化粧師がいた。客の中心は一部の上流階級の女性や芸者たちであったが、抜群の腕の彼に化粧して貰うといいことがあるとの評判を得ていた為、人生の一歩を踏み出そうとするその他の女たちも彼の元を訪れることしばしばだった。ある日、呉服店の女将・三津森鶴子の化粧をしに行った小三馬は、そこで非識字者の下働き・時子と出会う。彼女の夢は、字が読めるようになり、深川の大火で焼け出されバラック生活を送る子供たちに本を読んで聞かせてあげること。それを知った小三馬は、彼女に字の練習本を贈ってやる。そして、その甲斐あって字を覚えた時子は夢を叶えるも、その時、バラックに立ち退き命令が下り、役人による強制執行が行われてしまう。仲間を助ける為、執行書を奪って小三馬の元に逃げ込む時子。小三馬は、そんな彼女に化粧を施し変装させ、追っ手の目を欺くのだった。しかし、小三馬に秘かな思いを寄せながら、別の男と結婚することになった天麩羅屋の娘・純江の婚礼の日、彼女に化粧をしてやった小三馬に官憲の手が迫る。それを救ったのは、純江と彼女の父親だった。だが図らずもその騒動の最中、小三馬が耳が聞こえないことが明らかになってしまう。実は、彼は幼い時、鉱毒によって聴覚を失っていたのだ。彼が偏屈に見えたのも、それが原因だった。それから数日後、時子が女優抜擢試験を受けることになった。申し込みの写真を撮るという彼女に、小三馬はとっておきの化粧をしてやる。

「化粧師 KEWAISHI」の解説

女性解放の予感に満ちた大正時代を背景に、人生の一歩を踏み出そうとする女性たちと、化粧を通して彼女たちを後押しした化粧師の交流を描いた人間ドラマ。監督は、本作が初の劇場用作品となる『三国志の大地』の田中光敏。石ノ森章太郎による原作漫画を基に、「セイリング 海にはばたく」の横田与志が脚色。撮影を「大河の一滴」の浜田毅が担当している。主演は「冷静と情熱のあいだ」の椎名桔平。第14回東京国際映画祭最優秀脚本賞受賞作品。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2002年2月9日
キャスト 監督田中光敏
原作石ノ森章太郎
出演椎名桔平 菅野美穂 池脇千鶴 いしだあゆみ 田中邦衛 佐野史郎 柴田理恵 柴咲コウ 大杉漣 菅井きん 岩城滉一 岸本加世子 小林幸子 あき竹城 秋山拓也 仁科貴 奥貫薫 酒井若菜 平泉成 井上博一 谷口高史 minoru 北見唯一 内田チエ 泉裕介 松尾勝人 宮田圭子 坂下百合子 勇家寛子 池田真紀 山本奈々 梅林亮太 森田直幸 宮崎信哉 平井景子 岡村亜紀 結城集 三浦優 下元明子 岩井大 中森健 亀谷浩未 堀江麻衣 五十嵐愛生 藤原千咲 木島由利香 松永智 若林遼馬 青木雅大 北方哲太
配給 東映
制作国 日本(2001)
上映時間 113分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-25

東京工芸大秋のフェスタには文化記録短篇映画の紅3部作なども上映されて紅花染色のプロセスと化学性が検証された映像作品が在り,ふと劇映画の本篇が想い出された

最終更新日:2023-12-05 16:00:02

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