あ、春 作品情報
あはる
一流大学を出て証券会社に入社、良家のお嬢様・瑞穂(斉藤由貴)と逆玉結婚して可愛いひとり息子にも恵まれた韮崎紘(佐藤浩市)は、ずっと自分は幼い時に父親と死に別れたという母親の言葉を信じて生きてきた。ところがある日、彼の前に父親だと名乗る男が現れたのである。ほとんど浮浪者としか見えないその男・笹一(山崎努)を、にわかには父親だと信じられない紘。だが、笹一が喋る内容は、何かと紘の記憶と符合する。しかも、実家の母親に相談すると、笹一はどうしようもない男で、自分は彼を死んだものと思うようにしていたと言うではないか。笹一が父親だと知った紘は、むげに彼を追い出すわけにもいかず、同居する妻の母親に遠慮しながらも、笹一を家に置くことにした。しかし、笹一は昼間から酒を喰らうわ、幼い息子にちんちろりんを教えるわ、義母の風呂を覗くわで紘に迷惑をかけてばかり。ついに堪忍袋の緒が切れた紘は笹一を追い出すが、数日後、笹一が酔ったサラリーマンに暴力を振るわれているのを助けたことから、再び家に連れてきてしまう。図々しい笹一はそれからも悪びれる風もなく、ただでさえ倒産が囁かれる会社が心配でならない紘の気持ちは、休まることがない。そんなある日、笹一の振る舞いを見かねた紘の母・公代が来て、紘は笹一との子ではなく、自分が浮気してできた子供だ、と告白する。その話に身に覚えのある笹一は、あっさりその事実を認めるが、紘の心中は複雑だ。ところが、その途端に笹一が倒れてしまう。病院の診断では、末期の肝硬変。笹一は入院生活を強いられ、彼を見舞う紘は、幼い頃に覚えた船乗りの歌を笹一が歌っているのを聞いて、彼が自分の父親にちがいない、と思うのだった。しばらくして、ついに紘の会社が倒産した。しかし、今の紘には、笹一のように強く生きていける自信がある。そしてその日、笹一が息を引き取った。紘は死に目に会うことは叶わなかったが、笹一のおなかに、彼がこっそり温めて孵化したチャボのひなを見つける。数日後、笹一の遺体を荼毘に付した紘たち家族は、彼の遺灰を故郷の海に撒くのだった。
「あ、春」の解説
エリート・サラリーマンの前に、死んだと聞かされていた父親が突如現れたことから始まる騒動を描いたホーム・コメディ。監督は「ポッキー坂恋物語 かわいいひと」で総監督を務めた相米慎二。村上政彦の「ナイスボール」を基に、「ラブ・レター」の中島丈博が脚色。撮影を「学校III」の長沼六男が担当している。主演は、「らせん」の佐藤浩市と「静かな生活」の山崎努。第11回東京国際映画祭特別招待作品。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1998年12月19日 |
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キャスト |
監督:相米慎二
原作:村上政彦 出演:佐藤浩市 山崎努 斉藤由貴 藤村志保 富司純子 三浦友和 余貴美子 三林京子 岡田慶太 村田雄浩 原知佐子 笑福亭鶴瓶 塚本晋也 河合美智子 寺田農 木下ほうか 掛田誠 |
配給 | 松竹 |
制作国 | 日本(1998) |
上映時間 | 100分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「水口栄一」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-06-19
この映画を観て、とても感動した。これは古き良き時代をしみじみと感じさせてくれたからだ。斉藤由貴さんの演技は素晴らしい。素敵な美人だ。大好きだ。