フラワーズ・オブ・シャンハイ 作品情報

ふらわーずおぶしゃんはい

清朝末期の上海。遊郭では高級官僚達が毎日のように宴を催している。王(トニー・レオン)は遊女小紅(羽田美智子)とは5年来のなじみであるが、惠貞(ウェイ・シャオホェイ)の元へも通い始めた。泣きやまない小紅を王は懸命になだめるが、対処しきれずただ戸惑うばかり。洪(ルオ・ツァイアル)の馴染みの遊女双珠(カリーナ・ラウ)は置屋の女将の実の娘であり、他の遊女らの相談相手。羅(ガオ・ジェ)の馴染みの遊女である翆鳳(ミッシェル・リー)は、借金しては男に貢ぐ女将、黄(レベッカ・パン)を軽蔑し、独立を願う。王が訪れる度に沈み込み不機嫌な小紅も、そんな自分自身を持て余し気味。必死になだめる王ではあるが、婚礼にも応じない小紅の真意がいまだ掴み切れない。ある宴席で泥酔した王が不意に小紅の部屋を訪れると、寝室には京劇役者の小柳(トニー・チャン)がいた。王は激怒し部屋の物を辺り構わず壊していく。それらは全て王からの贈り物であった。そんなある日、双珠の置屋の新入り双玉(ファン・シュエン)は、富豪の甥淑人(サイモン・チャン)の正妻として収まる方向に向かっていたが、それは彼のただの口約束であった。ショックを受けた双玉は、淑人の「夫婦になれないなら一緒に死のう」との言葉を信じ心中を図る。が、淑人は正体を現して逃げようとし、双玉に罵声を浴びせられる。事態の収拾を相談する淑人に、洪は独立資金と結婚持参金との名目で、淑人の家が双玉に賠償金を支払うよう提案する。時が過ぎ、広州に栄転が決まった王は、なじみのいなくなった小紅の噂を聞く。小紅を見限り惠貞を妾に迎えた王は、自分の甥とも関係をもった惠貞を追い出していた。王の顔に昇進の喜びはなく、悲しげに黙り込むのみであった。そして、小さな家に小柳と越した小紅は、何を思うのか、静かな微笑をたたえながら水パイプの掃除をしているのだった。

「フラワーズ・オブ・シャンハイ」の解説

19世紀末の上海を舞台に、清朝末期の高級遊郭で繰り広げられる男と女の愛憎劇を描いた文芸ロマン。監督は「悲情城市」「憂鬱な楽園」などで独特な映像美学を追究するホウ・シャオシェン。製作はヤン・ダンクイと市山尚三。原作は、ハン・チーユンが1894年に上海の遊郭に関する光景を蘇州語で客観的に描き出した奇書『海上花』で、中国文学の代表的女流作家チャン・アイリンが北京語に訳し、中国全土に一大ブームを起こした一作。脚本は「冬冬の夏休み」などでホウ監督と手を組むチュウ・ティンウェン。撮影は「女人、四十」のリー・ピンビン。音楽はジャパニーズ・ヒップホップの雄である半野喜弘で、本作が映画音楽デビューとなる。美術は「好男好女」のホァン・ウェンイン。録音は「カップルズ」のドゥ・ドゥージ。編集は「好男好女」のリャオ・チンソン。出演は「ブエノスアイレス」のトニー・レオン、「RAMPO」の羽田美智子、「天使の涙」のミッシェル・リー、「楽園の瑕」のカリーナ・ラウ、「憂鬱の楽園」のガオ・ジェほか。2024年7月20日より『台湾巨匠傑作選2024』にて劇場上映(配給:オリオフィルムズ)。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1998年10月17日
キャスト 監督ホウ・シャオシェン
原作韓子雲 アイリーン・チャン
出演トニー・レオン 羽田美智子 ミシェル・リー カリーナ・ラウ ジャック・カオ 魏筱恵 レベッカ・パン ファン・シュエン 伊能静 シュイ・ミン 張瑞哲
配給 松竹富士(提供 フィーチャー・フィルム・エンタープライズIII)
制作国 日本 台湾(1998)
上映時間 121分

(C)1998 松竹株式会社

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最終更新日:2024-10-02 02:00:07

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