おろしや国酔夢譚 作品情報
おろしやこくすいむたん
1782年、伊勢出帆後に難破した光太夫らは、9カ月後に北の果てカムチャッカに漂着する。生き残ったわずか6名の日本人は、帰郷への手立てを探るためにオホーツク、ヤクーツク、イルクーツクと世界で最も厳しい寒さと戦いながらシベリアを転々とするが、土地土地で数奇な運命に翻弄される。そして、凍傷で片足切断した庄蔵は日系ロシア人のタチアナに手を引かれるようにキリシタンとなり帰化、若い新蔵はロシア女ニーナと恋におち姿を消した。一方、光太夫は学者ラックスマンを通じ、初めて見る文化に強い衝撃を覚え、この感動を故国へ伝えたいと帰国への執念をなお燃やすのだった。そして、最後の望みを賭け、エカテリーナ二世への直訴を決意、首都ペテルブルグに向かった。ラックスマン、ベズボロドコ伯爵、女王側近ソフィアの協力を得て、ついに光太夫の熱い想いは女帝の心に通じ、光太夫、小市、磯吉わずか3人だが、1792年、実に9年9カ月ぶりに帰国を果たし根室へ着く。だが、鎖国中の幕府は彼らを迎え入れようとはせず、小市は病死、光太夫、磯吉も上府、雉子橋外の厩舎に留置されるが、やがて松平定信のはからいで光太夫は幽閉という扱いで、迎え入れられることになるのだった。
「おろしや国酔夢譚」の解説
鎖国日本にあって、広大なシベリア大陸を走り抜けた日本人の冒険記を描いた井上靖原作の映画化。脚本・監督は「敦煌」の佐藤純彌。共同脚本は「必殺4 恨みはらします」の野上龍雄と「タイガースメモリアルクラブバンド ぼくと、ぼくらの夏」の神波史男。撮影は「マリアの胃袋」の長沼六男がそれぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1992年6月27日 |
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キャスト |
監督:佐藤純彌
原作:井上靖 出演:緒形拳 オレグ・ヤンコフスキー ユーリー・ソローミン エヴゲニー・エフスチグネーエフ アナスタシヤ・ニェモリャーエワ タチヤーナ・ミハリョーフキナ ヴィクトル・ステパーノフ オリヨーナ・アルジャニーク マリナ・ヴラディ 江守徹 川谷拓三 三谷昇 米山望文 沖田浩之 西田敏行 |
配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(1992) |
上映時間 | 125分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「水口栄一」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-02-04
この映画を観て、とても感動した。私は昔から井上靖さんの大ファンだ。少年時代、井上靖さんのしろばんばという小説を読んだ時の衝撃は決して忘れることができない。だからこの映画を観たのだ。これは冒険ものだが、何よりもパワーを与えてくれたと思う。井上靖さんの楼蘭、敦煌、蒼き狼など茫洋とした歴史的時間を再現する大陸ものも大好きだが、このような映画もいいものだと思った。またロシアは私が20代の頃に出かけたところでもあり、ひじょうに関心があった。当時、私は横浜から船に乗ったのだ。それだけにこの映画を観ていて、共感できるところがいっぱいあった。最高の作品だと思う。