新・座頭市物語 作品情報

しんざとういちものがたり

めくらやくざ座頭市は数年振りで故郷笠間へ足を向けた。途中、鬼怒川の湯治場に寄った市を追いかけて来たのは、かつて彼に斬られた関宿の勘兵衛の弟安彦の島吉と乾分たち、だが、斬合いのさなかに来合せた市の剣の師匠伴野弥十郎が仲に入って、市を下館の家へ伴れ帰った。弥十郎の妹弥生は、足が不自由なため縁談が度々こわれていたが、市には優しく暖かった。そんな頃、奥村紀之介をはじめとする水戸天狗党の落武者数名が下館の宗源寺まで落ちのびて来たが、逃亡の旅費に窮してむかしなじみの弥十郎を頼って来た。そこで弥十郎は紀之介から金策の手段として強盗の手引きを頼まれた。弥十郎は、この頼みに悪計を考え出し、門弟たちに座頭市の居合を披露させると皆を集めた。その帰途、弟子の一人で郷土神田陣八郎の息子欽吾は天狗党一味に誘拐された。その夜市は弥生から思いがけない結婚の申し出を受けた。感激した市は生れ変って堅気になることを誓った。そんなところへ、島吉が真剣勝負をいどんできた。市は弥生に誓った通りやくざの足を洗ったといって弥生ともども島吉に許しを乞うた。島吉はその潔い態度に、今までの恨みを水に流すと言って去った。二人は弥十郎に結婚の許しを乞うが怒った弥十郎は市を破門した。そんなところに、陣八郎が脅迫状を持って弥十郎の許に相談に来た。三百両と引替に欽吾を渡す、今夜九ツ半、場所は羅漢の森というのだ。弥十郎は何くわぬ顔で自分も立合うことを約した。居酒屋油屋に寄った弥十郎は、言葉の行き違いから島吉を無礼打にした。市は、育ての親お茂ばあさんの家に行く途中、羅漢の森で天狗党一味と出会った。すべてを知った市は、彼らと血戦をいどみ、そのことごとくを斬った。そこへ駆けつけて来た弥十郎は怒りのあまり市に成敗の剣を抜いた。だが、市の捨身の剣に弥十郎は倒れた。市の後を追ってその場へやって来た弥生は呆然と立ちつくすのみだった。市はその弥生に頭を下げると、淋しそうに去って行くのだった。

「新・座頭市物語」の解説

子母沢寛原作から「続・座頭市物語」の犬塚稔と梅林貴久生が共同で脚本を執筆、「続・新悪名」の田中徳三が監督したやくざもの。撮影は「地獄の刺客」の牧浦地志。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督田中徳三
原作子母沢寛
出演勝新太郎 坪内ミキ子 真城千都世 近藤美恵子 河津清三郎 丹羽又三郎 中村豊 須賀不二男 伊達三郎 遠藤辰雄 水原浩一 南条新太郎 舟木洋一 武智豊子 杉山昌三九 南部彰三 東良之助 尾上栄五郎 高倉一郎 玉置一恵 春日清 浜田雄史 沖時男 藤川準 福井隆次 志賀明 小中島亮 西岡弘善 木村玄 森田健二
配給 大映
制作国 日本(1963)
上映時間 91分

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最終更新日:2022-10-18 09:53:12

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