狂った脱獄 作品情報
くるっただつごく
地方の小都市で殺人事件が起った。犯人岩上は、トラックの運転手だが、友人の関根が彼の留守中に新婚の妻トミ子を暴行したと知って、発作的に関根を殺したのである。トミ子も関根から暴行されたことを証言した。--岩上は自首して出たが、それは犯行後、交番で道をきいたとき、善人そうな老巡査、深沢とその娘博子の姿を見て、やっと我にかえったからであった。--留置場で、岩上は油汗を流し、うなりつづけていた。俺は女房の仇をうったんだ。が、仲間の一人が面会にきて告げた。お前の女房、森岡の奴に肩を抱かれるようにして歩いていたぞ。たちまち、岩上の顔は血の気を失ったという。妻の不貞。ありえないことではない。疑惑が彼を包んだ。幻想の中で、妻は森岡に抱かれていた。彼を笑っていた。--何度目かの取調べのとき、捜査主任から関根には強姦事件のアリバイがあったと知らされた。やっぱり、森岡の奴か!野郎、殺してやる!岩上は絶叫した。数時間後、彼はあきらめ、面会にきた深沢巡査に、吐きだすようにいった。きっと絞首刑でしょう。--が、森岡を殺せるかも知れぬ機会がきた。というのは、彼の看房に、やはり刑務所送りの決った宮川という兇悪犯が入れられてき、彼に脱獄を持ちかけてきたのだ。二人は猛烈にケンカし、止めにきた夜警の看守をしばり上げ、鍵束と拳銃を奪った。留置場を抜け出、ぬかるみを走りながら、宮川はいった。お前に自動車の運転をさせようと思って誘ったのだ。俺と一緒に隣県の山奥にあるダムの飯場にもぐりこむんだ!表通りで、タクシーに乗りこんだ。宮川は運転手をなぐり、更に拳銃を射とうとした。岩上はそれを止め、宮川をなぐり倒した。彼はハンドルを握ると、トミ子のアパートへ飛ばした。妻は失神した宮川の姿をみると泣いていった。この男が犯人なのよ! 関根さんが犯人といったのは、あなたの刑が軽くなると思ったからよ。どうせ死んだ人だからと思って……。しがみついて泣く妻の声を聞きながら、岩上は全身から力が抜けて行くのを感じた。
「狂った脱獄」の解説
藤田敏夫の原作を「東京ロマンス・ウェイ」の共同執筆者・大川久男が脚色し、「雑沓に光る眼」の小杉勇が監督した犯罪ドラマ。撮影も同じく「雑沓に光る眼」の中尾利太郎。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:小杉勇
原作:藤田敏夫 出演:岡田眞澄 香月美奈子 木浦佑三 神山勝 柴田新 青木富夫 近江大介 小杉勇 中村万寿子 長尾敏之助 水谷謙之 深水吉衛 赤木圭一郎 白井鋭 榎木兵衛 渡のり子 |
---|---|
配給 | 日活 |
制作国 | 日本(1959) |
上映時間 | 52分 |
ユーザーレビュー
レビューの投稿はまだありません。
「狂った脱獄」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。