太鼓たゝいて笛吹いて 作品情報
たいこたたいてふえふいて
--駒ケ岳のふもと、薮原の宿へ旅役者市川団九郎一座が流れてきた。下働きのおけいは一座十五人をまかなう台所仕事から囃子方、果てはチョボ語りや役者まで引き受け、文字通り“太鼓たたいて笛吹いて”の大車輪である。早速、彼女は馬の足専門の団七、団八とフレ太鼓をかついで廻る。--尾州藩士大沢頼母の妻お梶が娘を探してこの宿にやってきた。二十年前、ここで火事にあい、赤ん坊を見失ったのだ。一座は莚張りの小屋をかけ、忠臣蔵をやるが、入りはほんの僅かである。二枚目の新之助は梅蔵の妻おとくと密通して、足抜きしようと目論んでいる。万若らも宿場女にうつつを抜かす。団七はおけいに言い寄り、団八も御同様で、たちまち二人の恋の鞘当てが始る。が、彼女は座頭の息子団之丞を慕っている。しかし、彼は太夫元の宇兵衛の女房おたきと浮気の最中だ。--お梶は宇兵衛から二十年前の火事のとき、団九郎一座がここで興行中で、団九郎が赤ん坊を拾ったことを知らされた。座頭の女房おしのを訪ね、事情を話すが、冷い返事である。彼女は帰りがけ、黙っておけいにカンザシを手渡した。舞台で、団九郎が倒れ、死んでしまうと、おしのは団之丞とおけいを強引に祝言させてしまう。おとしと新之助が駈け落ちする。街道筋で、江戸の人気役者嵐権十郎一座が興行している。--一座はますます危機におちいった。おけいは権十郎に会おうとした。面会謝絶。彼女は女アンマに化けて彼の部屋に入り、一座の苦境を話した。彼は団九郎追善興行として一座に協力しようといった。不入り続きが押すな押すなの超満員になった。「塩原多助」では、団七、団八は馬の足の演技を、権十郎に激賞された。権十郎はおけいの人柄にほれこみ、結婚を申しこんできた。おけいは断った、--名ばかりの夫団之丞をやはり好きだから。が、彼はおたきとの現場をおさえられ、問屋場の親方吉五郎に切られた。彼はやっと小屋までたどりつき、おけいの腕の中で死んだ。万若らはどこかへ行ってしまった。一座に再び危機が--。梅蔵はおけいにお梶の国許へ帰るようすすめる。おけいは江戸へ行き、権十郎の力を借りることを提案した。例のカンザシを路金の一部に換えた。一同は元気づけられ、江戸目指して張り切って発った。
「太鼓たゝいて笛吹いて」の解説
菊田一夫の原案を、「旅は気まぐれ風まかせ」の小国英雄が脚色、「愛情の都」の杉江敏男が監督、同じく「愛情の都」の完倉泰一が撮影した時代喜劇。宮城まり子、有島一郎、三木のり平らのコメディアンに、久慈あさみ、草笛光子、平田昭彦、中田康子なども加わる豪華キャスト。色彩はイーストマンカラー。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:杉江敏男
出演:三津田健 千石規子 小泉博 宮城まり子 三木のり平 有島一郎 藤原釜足 久慈あさみ 益田キートン 沢村いき雄 堺駿二 平田昭彦 藤尾純 谷晃 桜井巨郎 河津清三郎 山田巳之助 夏川静枝 土屋嘉男 草笛光子 上田吉二郎 田島義文 瀬良明 浪花千栄子 中田康子 塩沢登代路 河美智子 高堂国典 広瀬正一 土屋詩朗 渋谷英男 記平佳枝 |
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配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(1958) |
上映時間 | 102分 |
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