熱砂の月 作品情報
ねっさのつき
若き原子物理学者森進次はアメリカの帰途、友人王作林を訪ねる目的で香港に立ち寄った。彼は高文明と名乗る青年と知り合い、王作林が不慮の死をとげたことが判った。墓参のあと、進次はロートオという女の危難を救い、フナン国公使館に案内された。同国国防司令官のバンジャは王国のため力をかしてくれという。フナンに向う特別機の中で初めてその事情が明らかにされた。フナン国西部州でウラニウム鉱が発見されたが、王位を狙う州の長官リュウ殿下がそれを知れば、外国に利権を売ってしまう懸念もあるので、極秘裡に鉱質の調査をして欲しいというのだ。王宮で気高くも美しい王女ナーシャを見たとき、進次の心は決った。狩猟の名目でナーシャ、進次、ロートオの一行は調査のため、西部州に入ったが、その中には高文明もまぎれ込んでいた。目的地に着いた一行はリューの反乱軍に囲まれた。しかし高文明の機敏な働きで、ナーシャと進次はジープで逃れることができた。一夜、隠れ家で傷ついた進次を介抱しながら、ナーシャは烈しい愛情を打明け、二人はくちづけをかわした。州境の近くで、異変を知って駈けつけたバンジャの国防軍が二人を迎えた。集落にひそむリューの反乱軍は国防軍との一戦に敗れ去った。やがて、フナンの王宮では内乱の鎮定と、ウラニウム発見の盛大な祝賀舞踏会が開かれた。最初のワルツを踊りながら、ナーシャは進次の耳に「私も日本へ行きます。森の女神のブロンズの下で待っていて下さい」と囁いた。約束の場所で彼女を待つ進次に、ナーシャへの叶わぬ恋に狂ったバンジャが拳銃を向けた。リューに内通していたバンジャこそ、王作林暗殺の張本人なのだ。危い進次を救ったのは高文明で、彼は王作林の異母兄王惟新であった。折も折、ロートオが国王の訃を伝えた。ナーシャは王位をつがねばならない。彼女と進次の恋はかくて終った。東京へ飛ぶ旅客機の中で、進次はナーシャの華やかな戴冠式の新聞記事を、感慨深く読むのだった。
「熱砂の月」の解説
斎桓原作より「青年の椅子」の松浦健郎が脚色、「若い奴らの階段」の田中重雄が監督したアクション・ミステリー。撮影もコンビの高橋通夫。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:田中重雄
原作:斎桓 出演:本郷功次郎 チェリト・ソリス 藤巻潤 中田康子 宇津井健 須賀不二男 佐々木孝丸 倉田マユミ 北原義郎 根上淳 大川修 森一夫 見明凡太朗 丸山修 花布辰男 小原利之 遠藤哲平 谷謙一 高村栄一 ジョー・オハラ 河原侃二 菅井一郎 阿部脩 中田勉 守田学 浜口喜博 隅田一男 橋本力 小山内淳 横山明 中原健 藤山浩二 長田健二 穂積明 佐藤八郎 結城千里 三浦友子 加藤雅子 吉野妙子 藤江津子 北見洋子 藤野佳子 一条淳子 |
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配給 | 大映 |
制作国 | 日本(1962) |
上映時間 | 108分 |
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