残月一騎討ち 作品情報
ざんげついっきうち
吉良上野介のために取潰しとなった浅野家の浪士たちは、続々と江戸に入りこんで来たらしい。伊丹という飲屋には、江戸前の女将お半のきっぷが気に入ったか、しきりと通う二人の武士があった。一人は赤穂浪士の来襲に備える清水一角、他の一人はその浪士の一人である赤垣源蔵である。源蔵はよく脇坂の家臣たる兄の塩山伊左衛門を、酒代の無心に訪ねた。妻のまきはこれを快く思わなかったが、塩山は源蔵を信じて彼の無心に応じてやった。女中のお杉という娘は、何時しか源蔵に心を寄せていた。ある夜源蔵は伊丹の店で再び一角に会い、険悪な空気が流れたが、分けて入ったお半が喀血したことから、二人は武士として心を結ばれ合った。お半の気持が源蔵に傾いているのを見抜くと、一角は潔よく身を退いた。源蔵は仇討ちに備えて、ある時吉良上野介の姿をうかゞったが、これ以来彼の身辺に刺客の眼が光り出した。それをくらますために源蔵は、連日お半の店で酔いしれた姿を見せる様になった。その姿を見たお杉の悲しみは大きかった。兄の伊左衛門もそれを知って怒った。源蔵はしかし顔をそむけつゝその本心を明さなかった。冬が来た。雪のしんしんと降る夜、義挙決行のことが知らされた。病いのために死んで行くお半をかき抱きつゝ、源蔵は二世を契り合った。そして一刻の間を、源蔵は兄を訪ねたが外出中で逢えず、兄の羽織を壁にかけて別れの盃を独りふくんだ。元禄十五年十二月十四日、同志四十七人は、大石内蔵助の采配の下に、吉良邸に討入った。今やそこに敵として一角と剣を交える源蔵であった。
「残月一騎討ち」の解説
「忠臣蔵」の中の“徳利の別れ”の話から「死美人屋敷」の民門敏雄が脚本を執筆、「八百屋お七 ふり袖月夜」の松田定次が新人の松村昌治と共同で監督する。撮影は「八百屋お七 ふり袖月夜」の川崎新太郎、音楽は中原務の相当。出演者は「お坊主天狗」の大友柳太朗と喜多川千鶴、「継母」の田代百合子、「右門捕物帖 まぼろし変化」の月形竜之介、「からたちの花」の三島雅夫などである。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:松田定次
松村昌治
出演:大友柳太朗 月形龍之介 喜多川千鶴 三島雅夫 松浦築枝 田代百合子 杉狂児 加賀邦男 津村礼司 山内吾郎 和泉多衣子 水野浩 山田光子 市川男女之助 高松錦之助 河部五郎 富士光 |
---|---|
制作国 | 日本(1954) |
上映時間 | 87分 |
ユーザーレビュー
レビューの投稿はまだありません。
「残月一騎討ち」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。