平手造酒(1954) 作品情報

ひらてみき

千葉周作の師範代山部幾之進との立合いに、平手造酒は一本を先取しながら喀血のため勝を譲った。数日後二人は路上で相対して真剣を抜き、造酒は山部を漸り、道場を破門された。酒と女と脅喝のすさんだ日々を、彼は下総笹川在に送っていた。酒屋の息子仙太郎は、愛する娘みよの忠告もきかず、やくざを気どって繁蔵一家に出入りしていたが、助五郎一家の者達を蹴ちらした造酒を仲間に入れようとする。造酒はそれを聞入れなかったが、ふと知りあった旅の女お吟に心をひかれた。喀血して道に倒れた造酒を、繁蔵は用心棒に雇い、延命寺の離れで静養させた。病に苦しむ彼も、お吟の手厚い看護で、次第に健康を取り戻した。或る日、殺された山部の弟平八郎が造酒を狙ったが、危くその難を免れた。その同じ日、お吟の昔の夫朝吉が刑期を終えて彼女を訪ねた。お吟の心が完全に造酒のものであるのを知りつつ、彼はなお女を帰してくれと泣いて頼むのだった。嫉妬と不安に心乱れた造酒は朝吉を斬りすてた。お吟は家出し、造酒は再び病の床に倒れた。そのころ繁蔵一家は助五郎一家と出入りが起り、造酒は狂ったように相手を斬りまくった。争いの最中に彼は助五郎の用心棒近藤彌市に合った。近藤は造酒と争いをさけ、お吟が渡し場にいる事を教える。造酒には再び生きる希みが明るく湧いた。だが時すでに遅く、不覚にも背後から槍でさされ、重傷の体でお吟を求めてよろめきつつ、辿りついた流れの中に死んで行った。

「平手造酒(1954)」の解説

「国定忠治(1954)」「沓掛時次郎(1954)」に次ぐ日活の新国劇総出演映画。製作、脚本、監督は「国定忠治(1954)」と同じく星野和平、菊島隆三滝沢英輔で、「風立ちぬ(1954)」の三村明が撮影に当った。辰巳、島田以下の新国劇に加えて、「学生心中」の宇野重吉、「ママの新婚旅行」の山田五十鈴と南寿美子、「三つの愛」の山形勲等が出演する。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督滝沢英輔
出演辰巳柳太郎 山田五十鈴 宇野重吉 南寿美子 島田正吾 清水彰 山形勲 宮本曠二郎 秋月正夫 大山克巳 岡泰正 石山健二郎 河村憲一郎 畑中蓼坡 東大二郎 坂田耕三 郡司八郎 松本悟郎 茂木昇二郎 野村清一郎 茂上重次郎 初瀬音羽 対馬衣都美 岡野恵美子 菊野明子 利根はる恵
配給 日活
制作国 日本(1954)
上映時間 105分

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「平手造酒(1954)」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2022-07-26 11:03:48

広告を非表示にするには