太陽のない街 作品情報
たいようのないまち
大正末期、“太陽のない街”と呼ばれているトンネル長屋が、東京下町の日当りの悪いドブ川を挟んでいた。人々は近くの大同印刷に勤め、低賃金でようやく生活を支えていた。突然、会社は三十人の首切りを発表した。人々は生活権の擁護のため、争議をもって応じたが、警察の弾圧、生活苦などは日に日につのった。春木高枝は病父とおとなしい妹加代をかばって頑張っている勝気な女性。加代は争議に反対の昔気質の父と姉の板ばさみになって苦しむが、恋人宮地の情熱に力づけられていた。宮地は難航の争議に我慢出来ず、大川社長邸に放火した。しかしその容疑で幹部が次々に検挙されるので、宮地は既に自分の子供を宿している加代に悲しい別れを告げて自首した。間もなく加代の死によってみんなは一層の玩張りを誓い合った。一方、大和講談社の国尾社長や井上市会議員達は調停を買って出るが、大川社長は渋坂財閥と話し合い、会社側は全員首切りを発表した。高枝は暴力団に襲われた組合の幹部萩村を看護するうち、彼の心と結ばれてゆく。ある晩、工場が何者かに放火された。この事件を汐に萩村達は次々と検挙され残った幹部は会社の申し入れをノンでしまった。折角ここまで玩張ったのにと、高枝は悲しかったが、街をかけ抜けていく組合旗を追う彼女の目には再び力強い光がみなぎった。
「太陽のない街」の解説
昭和四年発表された徳永直の原作より、新人立野三郎が脚色し、「日の果て」の山本薩夫が監督している。撮影も、「日の果て」の前田実。キャストは「足摺岬」の日高澄子、信欣三、殿山泰司、「わたしの凡てを」のニ本柳寛、「美しい人」の瀧沢修、「燃える上海」の原保美のほか、大映のニュー・フェイス桂通子が出演している。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:山本薩夫
原作:徳永直 出演:日高澄子 桂通子 薄田研二 永田靖 加藤嘉 二本柳寛 信欣三 玉川伊佐男 原保美 神田隆 多々良純 小田切みき 徳永街子 岸旗江 滝沢修 東野英治郎 殿山泰司 三島雅夫 北林谷栄 宮口精二 安部徹 高原駿雄 |
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配給 | 北星 |
制作国 | 日本(1954) |
上映時間 | 140分 |
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