花嫁の性典 作品情報
はなよめのせいてん
牧江は父の死後、母ひとりの手で育てられた。彼女もやはり戦後の子、女学校時代には一通り性関係の本ものぞき、何もかものみこんでいるつもりであった。卒業後、母の希望でやや早めながら見合いをし、そして結婚した。夫健作は平生こころに描いていた“理想の男性”とはまるきり異った、しかし気立てのいい青年である。いい人だ、ということは彼女にもわかる。だからこそ結婚したのだが、式も終り、箱根にでかけたその第一夜--彼女は恐怖におびえた。この恐怖の前には女学校時代の性知識など何物でもなかった。ベッドからはね起きた彼女は室外へ、そして庭園へとよろめき走った。結局、迎えにきた夫につれられて室に戻ったが、嫌悪感にその夜はねむれない。彼女はじぶんが夫を愛していないのだと考え、ために新婚旅行も灰色となった。芦ノ湖上に出た際、ついに欝積したきもちが爆発し、むりやり舟を湖岸につけさせて彼女は一人森林中にかけこんだ。--その林中をさまよううち、彼女は蛇取りの男に追われ、暴行を受けようとする。かけつけた夫は、件の男と格闘をはじめる。男は強く、圧倒されてゆく夫の姿をみているうらに牧江は失神した。が、夫の必死の一撃で相手は倒れ、彼女ははじめて夫へのはげしい愛情をおぼえた。
「花嫁の性典」の解説
「あぶない年頃」の浅野辰雄と新人若井基成の共同脚本により「トコ春じゃもの」の仲木繁夫が監督した。撮影は「母のない子と子のない母と」の井上莞。「憲兵」の片山明彦、「刺青殺人事件」の左幸子、「アナタハン」の近藤宏、沢村紀三郎「恐妻キュット節」の宗方規子などが出演する。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:仲木繁夫
出演:左幸子 片山明彦 瀧花久子 十朱久雄 月野道代 近藤宏 宗方規子 沢村紀三郎 益田喜頓 武智豊子 |
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配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(1953) |
上映時間 | 47分 |
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