ひめゆりの塔(1953) 作品情報
ひめゆりのとう
昭和二十年三月、アメリカ軍の上陸直前の沖縄は、海上からの艦撃と、空からの爆撃と機銃掃射をあびて、死の様相をそなえていた。敗戦への最後のあがきとして、軍は沖縄師範女子部と沖縄県立第一高女の女学生たちまでも、勤労奉仕と称して最前線へかり立てたのだった。胸に白百合と桜の徽章をつけたうら若き乙女たちは、明日の生命もあやぶまれるときに、父母姉妹の肉親たちと別れ、南風原の丘へと行進して行った。そこでは日本軍が、血と泥とにまみれて最後の防戦に奮闘していた。乙女たちは、弾丸運びに、水汲みに、死体運びに、負傷者の手当てに、日夜、かぼそい神経を鞭打って立ち働いた。彼女たちの晴れの卒業式も壕の内部で行われたが、いよいよ激しい敵軍の攻撃に、軍隊はいち早く後退したが、彼女たちには何の保護も与えられず、敵軍の弾丸や機銃にさらされながら大勢の犠牲者を出してからくも後退し軍に追いつくのだった。しかし、狭い沖縄の島は、何処へ行っても今や安全な地点はなく、島から脱出するにしては、最早時期がおくれてしまっていた。敵軍に包囲された島の仲で、難民は右往左往するばかりで、逆上した軍人は、降伏をすすめる敵軍の放送に思わず駆け出す娘を、容赦もなく射ち殺した。かくて、ひめゆり舞台と呼ばれたうら若い乙女の一隊とその教師たちは、次々無惨な死をとげてしまった。
「ひめゆりの塔(1953)」の解説
伊藤武郎の企画でマキノ光雄が製作に当っている。脚本は「おかあさん」の水木洋子が書き監督は「山びこ学校」の今井正、撮影は中尾駿一郎である。出演者の主な人々は、「お茶漬の味」の津島恵子、「モンテンルパの夜は更けて」の香川京子、「生きる」の小田切みき、「芸者ワルツ」の関千恵子、「今日は会社の月給日」の利根はる恵、春日俊二、「泣虫記者」の岡田英次、信欣三その他の助演者たちである。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:今井正
出演:清水元 信欣三 河野秋武 岡田英次 津島恵子 香川京子 小田切みき 関千恵子 藤田進 春日俊二 岩崎加根子 田中筆子 利根はる恵 戸田春子 加藤嘉 神田隆 土屋嘉男 四方正夫 |
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配給 | 東映 |
制作国 | 日本(1953) |
上映時間 | 130分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-11-23
日本映画の再発見と云う著書を読むと多くの日本人が沖縄戦の悲劇を知らされずに本篇等を通して改めて知ったことが分かる。