痴人の愛(1960) 作品情報

ちじんのあい

他人からは木石の典型のように思われている河合譲治にも秘密があった。ナオミである。池袋のアルバイト・サロンで彼女をみつけてから、収人のすべてをそそいで今日のような魅力ある女性に育て上げたのだ。自分の思った通りの女を得たいという、譲治の奇妙な執念の結果だった。ナオミはスポーツ・カーをねだった。最近、ナオミの享楽の欲望は果てしもなく大きくなっていくようだ。さすがに、これは譲治も承諾するわけにはいかなかった。英語のレッスン中、ナオミはノートを破った。譲治のはげしい声がとんだ。ナオミは姿を消した。やがて帰ってきたナオミと譲治の情痴の世界。--以来、譲治の家でのナオミの生活は一段と奔放になった。春から夏、譲治はその頃いまわしい噂を聞いた。ナオミがボーイ・フレンドの誰かれかまわずに身をまかせているという。彼女の頼みで譲治は鎌倉に離れを借りていた。ある夜、譲治は遅くなる送別会の予定を早くくりあげて帰った。ナオミはいなかった。浜辺で譲治は見た。ボーイ・フレンドに囲まれ、体に海草をまきつけて踊り狂うナオミを。男たちのはやし声に、全裸に近い体をくねらせる、ナオミの痴態。譲治はナオミを砂浜に突き倒した。--東京へ帰った譲治は、決定的な事実に会わねばならなかった。ナオミを寝室で待つ男がいたのだ。秋。譲治はナオミと別れていた。ラジオを聞きながら、干物を焼く彼の前に人影が立った。なれ親しんだ体臭。ナオミだった。顔をそむける彼の眼の前で、ナオミは着替えを始めた。いつしか譲治はあえぎ始め、抱きついていた--。

「痴人の愛(1960)」の解説

谷崎潤一郎の原作を「初春狸御殿」の木村恵吾が再び脚色監督したもの。撮影は石田博が担当した。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督木村恵吾
原作谷崎潤一郎
出演船越英二 叶順子 田宮二郎 川崎敬三 石井竜一 大川修 三国一朗 多々良純 本郷秀雄 河原侃二 守田学 早川雄三 菅井一郎 岩崎加根子 小笠原まり子 紺野ユカ 柏木優子 三木裕子 春川ますみ 江波杏子 美山かほる 愛川まゆみ 角梨枝子 有明マスミ 磯奈美枝 村井千恵子
配給 大映
制作国 日本(1960)
上映時間 88分

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「痴人の愛(1960)」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2022-07-26 11:03:49

広告を非表示にするには