弾痕(1969) 作品情報
だんこん
夏の日の箱根。首相と会談を終えた米特使一行の帰路を、テロリストの一団が狙っていた。一行の車が近づき、手榴弾が投げられようとした一瞬、空から一台のヘリコプターが急降下し、一人の男がテロリストたちを狙撃した。滝村憲--米諜報機関工作員、銃の名手である。ある日、来日中の中共貿易促進使節員楊が、米大使館に逃げこんだ。楊の逃亡をたすけた憲は、その夜、中共側の工作員三宅に狙撃された。憲は反射的に弾丸を避けたものの、それは通行人を負傷させていた。有村沙織がその人だった。憲は女工作員薫に手当の依頼をすると、次の任地で北朝鮮からの密入国者を射殺した。所持品から中共側のスパイであることが判明、逃亡した楊との関連に、疑惑が持たれた。拷問の末、楊は自分の目的が、東京で武器商人ローズと武器買入れ交渉をすることにあった、と自白した。彫刻家沙織と再会した憲は、傷の代償としてモデルをさせられた。彼女は、憲の中に“心の傷跡”を感じ、それを彫像に表現しようとした。死の商人ローズがやって来た。憲は彼の動向に注意したが、楊の自白もローズの来日もみな囮だった。その時取引きはすでに完了していた。憲は三宅を倒すと、本もののローズを射殺した。が、憲もまた同僚工作員によって、殺されてしまった。沙織は、最後まで祖国を持ち得ず孤独のうちに生涯をとじた憲の死顔を、酷薄なまでの眼差しで見つめた。
「弾痕(1969)」の解説
「無頼・殺せ」の永原秀一がシナリオを執筆し、「二人の恋人」の森谷司郎がメガホンをとったアクションもの。撮影は「兄貴の恋人」の斎藤孝雄が担当した。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:森谷司郎
出演:加山雄三 太地喜和子 佐藤慶 岡田英次 立花マリ 納谷悟朗 小沢忠臣 岸田森 ロルフ・ジェサップ アンディ・シームズ 上田忠好 近藤準 加藤和夫 原知佐子 田中浩 ポウル・ウォルターズ ジョセフ・カバナウー ジェラルド・アダムス |
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配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(1969) |
上映時間 | 94分 |
ユーザーレビュー
総合評価:4.5点★★★★☆、3件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-06-28
この東宝映画「弾痕」は、「狙撃」に続いて加山雄三が主演した、東宝ハードボイルド三部作の第2弾となる作品で、監督は「日本沈没」「八甲田山」の森谷司郎だ。
主人公の滝村憲(加山雄三)は、日米2つの国籍を持つ男であり、アメリカの情報機関のメンバーで射撃の名手だ。
彼は、米国特使の一行に特攻を試みるテロリストを、ヘリから狙撃し犯行を阻止したり、米国大使館に亡命を希望する中国の経済使節団のメンバーを保護したりと任務遂行に忙しかった。
そんなある日、彼は敵対する何者かに狙撃され、弾は近くにいた彫刻家・沙織(太地喜和子)を負傷させてしまう。彼女を助けた滝村は、彼女の作品のモデルとなり会合を重ねていく。
滝村は、日本海側から密入国を企む中国の工作船を迎撃、中国側は謎の武器商人トニー・ローズと東京で取引を企んでいた。滝村はこれを阻止しようとするが------。