燃えつきた地図 作品情報
もえつきたちず
男は妻を別居し、最も職業らしくない職業という理由で興信所の調査員になった。間もなく男は、ある女から失踪した夫の行方動向の調査を依頼された。しかし、女は夫を探すのには熱心ではなく男に協力的でなかった。男はまず失踪者が残していった運転手募集広告、喫茶店「つばき」の電話番号を手掛りに調査を始めた。しかし、いずれもはかばかしくなく、何の結果も得られなかった。そんな時、男は女の弟と名乗るやくざ風の男に会った。弟は失踪者の日記を見せるといって姿を消した。やがて失踪者の会社を訪ねた男は、失踪者の部下田代から、失踪者にヌード写真の趣味があったこと、失踪自体が半信半疑だと聞いた。男はそれが小心者の嘘だと思った。男は弟に会ったが河原に連れて来られ、そこで、やくざの乱闘に巻き込まれてしまった。この事件で弟は殺され、男も興信所から解雇されてしまった。結局、弟が死に日記も入手出来ずに終ったが、単独で失踪者を探そうと決心したのだ。男は久しぶりに妻に会った。しかし、男には何の感激もなく、自分が失踪者であるような、奇妙な感覚に襲われた。翌日、田代の案内でヌード・スタジオを訪れた男は、田代が失踪者のことで嘘を言っているのを知った。田代は弁解したが、男は取りあわず、そのため田代は予告自殺を遂げてしまった。間もなく、「つばき」を訪れた男は、そこがいつもと違って運転手の客でごったがえしているのに驚いた。「つばき」は日雇運転手の斡旋所だったのだ。彼らは互いに身許も過去も問われない、一種の失業者の群だった。男は失踪者について情報を得ようとして何者かに襲われ、気を失ったまま、女のベッドの上で目覚めた。その時男は、失踪は脱落ではなく、都会の砂漠の中で生きている人間の、あまりにも人間的な抵抗だと悟ったのである。
「燃えつきた地図」の解説
「他人の顔」の安部公房が彼自身の原作を脚色し、勅使河原宏が監督した。撮影は「夜の縄張り」の上原明。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:勅使河原宏
原作:安部公房 出演:勝新太郎 市原悦子 大川修 渥美清 信欣三 吉田日出子 小笠原章二郎 渚まゆみ 中村玉緒 笠原玲子 土方弘 小山内淳 守田学 飛田喜佐夫 佐藤京一 藤山浩二 酒井修 田中春男 小松方正 三夏伸 梅津栄 西条美奈子 工藤明子 出演(声):仲村隆 |
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配給 | 大映 |
制作国 | 日本(1968) |
上映時間 | 89分 |
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