893愚連隊 作品情報
やくざぐれんたい
谷口ジロー、参謀、オケラは、京都駅で白タクをして働く愚連隊だ。ある日ジローは、愚連隊の大先輩で務所帰りの杉山に出会った。杉山は十五年の刑を終え、仲間の本村の所へ戻って来たが、かつて杉山の情婦であった由美が今は本村の妻となり幸福に暮しているのを知ると、ジローらと共に白タク稼業の仲間入りをした。そんな杉山に仲間の一人ケンは、強く惹かれた。終戦の落し子ケンにとって、杉山は父のように思えたのだ。一方、ジロー、参謀、オケラは、倒産寸前の西川織物の社長と組み、債権者をごまかそうと企んだが、地まわりのヤクザ王城会の黒川、玉井らにより煮湯をのまされた。せっかくの儲けをとられたジローらは、女にかけては強い大隅を使い売春組織を作って、稼ごうとした。そんなジローらに杉山は反撥し、彼らとの間に溝を深めていった。次第に杉山は、彼らの中でやっかいものとなった。そんな杉山に務所仲間の横田が仕事をもちこんだ。某製薬会社の原薬を奪取するのだ。計画は見事成功した。だがまたしても、大隅の密告により、黒川らに甘い汁を吸われた。杉山はケンらと新しい生活へ出発するため、金が欲しかった。杉山はケンと原薬を秘かに運び出そうと企てたが、黒川に見つかり殺された。ジロー、参謀、オケラの胸中もおだやかではない。初めてヤクザへの反撥が燃えあがった。製薬会社と黒川らの取引きの日、一千万円をかっぱらって、車を走らせるジローの車を追いかける黒川の車。行く手は工事中の高架線だ。ジローはハンドルをきった。追って来た黒川の車は、宙に舞い、落下した。そして、ジローの車も一千万を積んだまま、メラメラと燃えあがった。体を張った彼らの夢の最期であった。
「893愚連隊」の解説
菅沼照夫の原作を「旗本やくざ(1966)」の中島貞夫が脚色・監督したアクションもの。撮影は「十七人の忍者 大血戦」の赤塚滋。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:中島貞夫
原作:菅沼照夫 出演:松方弘樹 荒木一郎 広瀬義宣 天知茂 近藤正臣 ケン・サンダース 稲野和子 三島ゆり子 桑原幸子 高松英郎 穂高稔 宮園純子 潮健児 脇中昭夫 遠藤辰雄 神戸瓢介 待田京介 丘椎三 那須伸太朗 加賀邦男 横山アウト 小島慶四郎 藤岡琢也 佐藤綾子 勝山まゆみ 藤健次 |
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配給 | 東映 |
制作国 | 日本(1966) |
上映時間 | 88分 |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-07-23
クールなコンボ・ジャズや、ホットなエレキのビートにのせて「イキがったらあかん。ネチョネチョ生きてるこっちゃ」とうそぶく時、初期のゴダールに限りなく接近する。
特攻隊崩れの天知茂の戦中派ヤクザにも、ここではない、どこかを夢見るハーフの少年にも与しない脆さ、そして、儚さと裏腹の刹那のカッコよさにシビレル。