黒の超特急 作品情報
くろのちょうとっきゅう
岡山県のある駅で不動産業を営む桔梗敬一を、東京の“東亜開発社長中江雄吉”と名のる男が訪れた。中江は、自動車工場用地としてこのあたりの土地を、細長く買いたいというのだ。そして桔梗には坪あたり百円の手数料を出すという。数日後、地主達と上京した桔梗は、中江と取り引きを終えて帰った。桔梗の心には、二千万儲けたことの喜びと、中江の事務所で出会った、日本人離れのした美人のことが交錯していた。半年後、株ですった桔梗は、地主達から、中江の買収した士地に第二次新幹線が走ると聞いて、急いで上京した。中江は事前に知っていたに違いない、面会を求めて五百万の金融を断わられた桔梗は、帰りにあの美人に偶然出会い、後をつけた。女は、新幹線公団に務める田丸陽子で、彼女はすでに二年前に退職し、今は赤坂のマンションで長沼という姓で二号生活をしていた。そしてその相手こそ、新幹線公団専務理事財津政義であった。強引に陽子の部屋に押し入り、ユスった桔梗は、陽子から何も聞きだせなかったが、中江が財津から事前に新幹線のコースを聞き出したことはまちがいなかった。桔梗の動きを知った中江は、陽子と財津を別れさせるように工作した。この中江の仕打に怒り桔梗のホテルにやって来た陽子は、中江が古美術愛好者であることを利用して財津に近づくと、当時、財津の秘書をしていた陽子をあてがい、その秘密を財津の義父で憲民党の実力者工藤に話して、三星銀行から大金を融資してもらったのだと話した。重大な証人陽子を味方につけた桔梗は、証拠物品をつくるため、中江に呼び出された陽子に二つのテープレコーダーを持たせた。一方、中江は陽子さえ殺せば敵の証拠はなくなると、陽子を絞殺した。そしてテープをみつけると捨てた。不審に思ってマンションに来た桔梗は、姿のない部屋から一つのテープをみつけたそのテープが陽子を殺した有力な証拠であった。中江に面会を求めた桔梗は、ウソぶく中江にテープを聞かせ、警官を導入した。中江は取り調べに対して、一切の汚職事件の全貌を話した。桔梗は帰途、すれちがう“ひかり”に多くの感慨が湧いた。
「黒の超特急」の解説
梶山季之原作『夢の超特急』を「卍(まんじ)(1964)」の増村保造と「嘘(1963)」の白坂依志夫が共同で脚色、増村保造が監督した黒シリーズの一篇。撮影もコンビの小林節雄。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:増村保造
原作:梶山季之 出演:田宮二郎 藤由紀子 船越英二 加東大介 石黒達也 町田博子 穂高のり子 大西恭子 三島愛子 早川雄三 高村栄一 春本富士夫 中条静夫 小杉光史 高見貫 真杉美智子 目黒幸子 村田扶実子 酒井三郎 南堂正樹 杉森麟 大山健二 上田吉二郎 此木透 小山内淳 中田勉 橋本力 九段吾郎 松村若代 守田学 原田玄 花布辰男 竹内哲郎 |
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配給 | 大映 |
制作国 | 日本(1964) |
上映時間 | 93分 |
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