愛と死をみつめて 作品情報
あいとしをみつめて
高野誠が小島道子に会ったのは、誠が浪人中、阪大病院に入院したときであった。知的な美しい瞳と、清純な顔は、その日から誠の心の中に好感をもってむかえられた。一見健康そうにみえた道子は、誠が東京の大学に入って二年目に再会したときも、病院生活を送っていた。二人の文通は続けられた。入院生活を続ける道子の不安は、誠の手紙によって力づけられていた。高校をどうにか卒業した道子は、希望の大学に入学したが、軟骨肉腫の再発で四度目の入院をした。アルバイトで大阪に来た誠は、病院を訪れては、信州の山々の美しさや、野球の話に楽しい時間を過した。道子も、不安を抱きながらも、強いて明朗にふるまっていた。九月になって、誠は東京に帰ったが、道子は主治医のすすめで、大学を退学すると本格的な、闘病生活に入った。日本には、まだデータのない不治の病と聞かされた道子は、誠に別れの手紙を出すと、淋しく、病室に横たわった。手紙を受け取った誠は、病院にかけつけるとくじける道子の気持を責めた。道子も誠の誠実な愛情に号泣するのだった。一方主治医は、道子の生命を守るために、道子の顔半分がつぶれるという、大手術が必要だと言った。話を聞いた道子の動揺は激しかった。だが誠の愛情の大きさに、ついに道子は決意をきめて、手術を受けた。元気になって社会奉仕をしたい、道子の願いは、病床の中で強く燃えあがった。大手術のあと、容態は順調であった。道子の顔は左半分、白いガーゼで覆われたが、日増しに明るくなっていった。だがある日、道子は健康な右半分に、骨が出て来たのに気づき、愕然とした。再び、手術台の上で道子は二十一歳の誕生日を迎えた。手術半ば、道子はこの世を去った。道子の日記帳には誠との楽しい生活を夢みた、数々の青春の悲しみと喜びが記してあった。
「愛と死をみつめて」の解説
大島みち子、河野実の書簡集を「越後つついし親不知」の八木保太郎が脚色「鉄火場破り」の斎藤武市が監督した青春もの。撮影もコンビの萩原憲治。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:斎藤武市
原作:大島みち子 河野実 出演:浜田光夫 吉永小百合 笠智衆 原恵子 内藤武敏 滝沢修 北林谷栄 ミヤコ蝶々 笠置シヅ子 杉山元 木下雅弘 紀原土耕 河上信夫 楠侑子 光沢でんすけ 加藤洋美 大谷木洋子 石丘伸吾 坂巻祥子 小柴隆 恩田恵子 岩記照栄 水森久美子 西原泰江 平塚仁郎 樽井純子 宮川敏彦 大塚トミエ 有田双美子 鏑木はるな 北出桂子 清水千代子 高田栄子 浜口竜哉 藤野宏 宇田川守雄 新村猛 井田武 三船好重 深川真喜子 鈴木俊子 |
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配給 | 日活 |
制作国 | 日本(1964) |
上映時間 | 118分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、2件の投稿があります。
P.N.「雪風」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2020-06-08
恋人が難病の長距離純愛実話。吉永小百合さんはほとんど顔半分をガーゼで隠しているのに美しさは変わらないですね。当時規制が緩いのか、放送禁止用語や宗教団体を名指しでバカにするとか、こんな映画やのに普通に会話していて驚きました。