サムライの子 作品情報

さむらいのこ

北海道の片田舎に住んでいる田島ユリは、突然同じ北海道でも大都会へ引越せると聞いて躍り上がった。だがふに落ちないのは父親のことだ。父の太市は数年前女房をなくしてユミを他人の家へ預け、貧乏な屑屋をしていたが、今度突然大都会の市営住宅へ移転するというのだ。案の定、移転先は"サムライ部落"と呼ばれるボロ長屋だった。人々は屑を拾って生活しているのだ。ユミはそこで新しい母親と弟を紹介され、暗い気持になった。母親は父と一緒に酒を飲むような女だったし、この集落全体が無気力な流れ者の集りで、世間からも白眼視されていたからだ。学校でも同じこと、この集落の住民だというだけでユミは肩身のせまい思をした。そんなユミをはげますのは、女子高校生の石川恵子と受持の町田先生だ。この集落にもけなげな人間がいる。将来二人の家庭を持とうと働いているマキタとヒロ子だ。彼等もユミを可愛がってくれた。その頃、"サムライ部落"に一大事件が起った。ノブシと呼ばれる放浪者の群が、市役所の処置で集落に追い込まれたのだ。集落の住人たちは彼等を警戒したが、ユミはノブシの女の子ミヨシと友達になった。ミヨシたちは学校へも行けないのだ。そんなある日、ユミの父は競輪で十万円儲けた。ここを出ようと勢込む太市は、皆を集めてドンチャン騒ぎ、朝になったら二万円も残ってなかった。そんなことでけんかをする父母。母はユミ以下子供を連れて追い出された。橋の下で住むようになったユミは学校へも行かれなかったが、それでも母を助けて元気に働いた。そこへ、すっかり真面目になった太市が迎えに来た。リヤカーを引いて元気に働く父をみて、ユミはうれしくて大声に笑うのだった。

「サムライの子」の解説

山中恒の原作から「キューポラのある街」の今村昌平が脚色、「何もかも狂ってやがる」の若杉光夫が監督した社会ドラマ。撮影もコンビの井上莞。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督若杉光夫
原作山中恒
出演田中鈴子 小沢昭一 南田洋子 浜田光夫 松尾嘉代 高橋千恵子 上田吉二郎 新田昌玄 田代みどり 鈴木光子 生田目洋文 小柴広吉 東恵美子 大森義夫 日岸喜美子 鶴丸睦彦 田中筆子 武智豊子 青木道子 大塚美枝子 藤原赫子 水梨民子 波多野憲 星野和正 三崎千恵子 執印恒幸 君島英昭
配給 日活
制作国 日本(1963)
上映時間 93分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:52

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