兄貴(1962) 作品情報
あにき
両親を失った健は、危難を救ってくれた岩田組の幹部石井のアパートに置いて貰うことになった。翌日、石井が岩田の事務所に顔を出すと、大幹部の田代はバー・ナルシスに対する石井のやり方が手ぬるいと責めた。近く始まる区劃整理の計画によれば、ナルシスが街の中心になるはずで、それを知った岩田はマダムの昌子に金を貸し、それをタテに立ち退きを要求しているのだった。が、石井は昌子に同情のあまり、強硬な態度をとれない。健は石井の弟分になった気で、石井を「兄貴」と呼んでは叱られた。石井にしてみれば、健をやくざにしたくなかった。そこで、バー・シマロンの支配人に頼んで、健をバーテンに雇って貰った。古くから勢力を張る岩田の頭痛のタネは、新興の大野組が急速に地盤を拡げてきたことだ。岩田がナルシス乗ッ取りを急いでいるのも、大野組が区劃整理を感づいたらしいからである。石井が岩田の命令でナルシスの立ち退きを強行した数日後、昌子は自殺した。一方、健はシマロンの女給美子に心をひかれた。彼女が実家へ送る金に困っていると知り、健は洋酒ブローカーから五万円借りてやったが、証文の金額はいつの間にか十万円になっていた。美子に横恋慕していた田代のしかけたワナである。談判に出かけた健の胸もとを殺し屋の短刀が狙うが、躍り込んだ石井が健を助けた。また足を洗おうと思っていた石井は、土地の人々に、岩田組や大野組に欺されないよう、代表をえらべと忠告した。岩田は自分の陰謀を挫折させたのが石井と知って、美子をオトリにして、健に石井を殺させようとたくらんだが、石井は捨身の早業で岩田一味を倒した。「兄貴、済まない」と、健は泣いた。石井は美子を健の方に押しやっていった。「兄貴と呼ぶのはよせよ。これからは、二人で倖せに暮らすんだぜ」と……。
「兄貴(1962)」の解説
「青い狩人」の柏正人のシナリオを、「波止場気質」の山崎徳次郎が監督したアクションもの。撮影は「俺は地獄へ行く」の永塚一栄。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:山崎徳次郎
出演:二谷英明 杉山俊夫 清水まゆみ 安部徹 田中明夫 中台祥浩 中原早苗 木浦佑三 稲葉義男 神山勝 野呂圭介 松丘清司 南風夕子 小柴隆 田中筆子 森塚敏 英原穣二 鈴村益代 福田トヨ 二木草之助 村田寿男 玉村駿太郎 三笠謙 雪丘恵介 紀原土耕 若原初子 久遠利三 矢頭健男 立川博 田畑善彦 高橋明 荒井岩衛 林茂朗 |
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配給 | 日活 |
制作国 | 日本(1962) |
上映時間 | 79分 |
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