P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-22
この映画「悪名」の原作は、今東光の人気小説で、河内出身の八尾の朝吉と、キザなチンピラのモートルの貞が、弱い者を苦しめるヤクザ相手に、大暴れをするという、シリーズ1作目の作品だ。
勝新太郎が、それまでの白塗りの二枚目をかなぐり捨てて、喧嘩と博打には滅法強く、女に惚れっぽい、破天荒な暴れ者を熱演していて、勝新太郎にとって初めてのヒットシリーズになっている。
そして、1961年のこの「悪名」から、1974年の「悪名 縄張荒らし」まで、全16作が映画化されていて、この第1作は、朝吉が村を飛び出してから、モートルの貞と知り合い、大阪で売り出すまでを描いている。
人妻と駆け落ちしたり、馴染の女郎の琴糸(水谷良江)を足抜けさせようとして失敗したり、お絹(中村珠緒)と結婚したり、エピソードも盛りだくさんながら、シリーズ中でも、丁寧な作りになっていると思う。
特に、朝吉の窮地を救ってくれた、女親分(ミヤコ蝶々)は、貫禄充分で印象的でしたね。