男はつらいよ 寅次郎忘れな草 作品情報

おとこはつらいよとらじろうわすれなぐさ

柴又。今日は、寅、さくらの父の二十七回忌である。“とらや”に、おいちゃん、おばちゃん、さくら、博が集って御前様にお経をあげてもらっている。その時、寅が久し振りに戻って来た。だが、寅のおかげで法事はメチャクチャになってなってしまう。ある日、さくらが、満男にピアノを買ってやりたいと言うのを聞いた寅は、早速、玩具のピアノを買って来て、得意満面。一同、欲しいのは本物のピアノだ、とも言えず寅の機嫌をとるが、やがてその場の雰囲気で気がついた寅、皆に悪態をついて、プイッと家を出てしまった。北海道。夜行列車の中で、派手で何処となく安手の服を着ている女が、走り去る外の暗闇を見ながら涙を流している。じっと彼女を瞶める寅。網走。ヒョンなことから寅は列車の時の女と知り合った。名はリリーといって、地方のキャバレーを廻って歌っている、三流歌手である。互いに共通する身の上話をしながら、いつしか二人の心は溶け合うのだった。柴又のさくらに、北海道の玉木という農家から手紙が届いた。寅が心機一転して、玉木の家で働いたものの日射病と馴れない労働で倒れてしまった、というのである。早速さくらは、北海道へ行き、寅を連れて柴又に帰って来た。寅が柴又に戻って来て数日後、リリーが尋ねて来た。抱き合って再会を喜ぶ寅とリリー。そして、皆に心のこもったもてなしを受けたリリーは、自分が知らない家庭の味に触れ、胸が熱くなるのだった……。数日後の深夜。安飲み屋をしている母親と喧嘩したリリーは、深酔いしたままで寅に会いに来た。だが、寅がリリーの非礼を諭すと、リリーは涙を流しながら突び出て行った。翌日、寅がリリーのアパートを捜し出して尋ねるが、既に彼女は越した後だった。その日、寅はさくらに、自分の留守中にリリーが来たら、二階に下宿させるように、と言い置いて旅に出た。数日後、さくらは、リリーが寿司屋の板前と結婚して、小さな店を出したことを知った。その店を尋ねたさくらは、以前とは想像もつかぬ程血色がよく、生き生きと働いているリリーを見るのだった。その頃寅は、ふたたび北海道の玉木の家を尋ねていた。晴れわたった青空、北海道にも夏が来た……。

「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」の解説

“男はつらいよ”シリーズ第十一作目。今回の寅さんが恋する相手は、北海道で偶然知りあった薄幸の三流歌手、リリー。このリリーをめぐっての寅さんの奮闘努力を描く。脚本は「故郷」の宮崎晃、「男はつらいよ 寅次郎夢枕」の朝間義隆、監督は脚本も執筆している同作の山田洋次、撮影は「愛ってなんだろ」の高羽哲夫がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1973年8月4日
キャスト 監督山田洋次
原作山田洋次
出演渥美清 倍賞千恵子 浅丘ルリ子 松村達雄 三崎千恵子 前田吟 中村はやと 太宰久雄 佐藤蛾次郎 笠智衆 吉田義夫 織本順吉 中沢敦子 成田みるえ 江戸家小猫 北原ひろみ 毒蝮三太夫
配給 松竹
制作国 日本(1973)
上映時間 99分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2022-09-11

歌手のリリーとの仲が絶妙な本篇,NHKラジオ深夜便山本直純特集で流れたオーケストラのヴァージョンでの楽曲,何てお洒落でモダン何だろう!寅さんこと渥美清の高音の歌唱が台詞と共に蘇って来るんだなあ🎵

最終更新日:2024-09-13 12:54:01

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