男はつらいよ 純情篇 作品情報

おとこはつらいよじゅんじょうへん

木枯しの吹く初冬の長崎港。相も変らずテキヤ渡世に身をやつしている車寅次郎は、五島列島の福江島に出かけていった。そこには長崎港で知り合った赤ん坊連れの出戻り女絹代の家があった。そこで絹代と父親千造の愛情あるやりとりを聞いているうちに、たまらなく故郷柴又が恋しくなって、一目散に柴又へ向った。その頃柴又の「とら屋」ではおいちゃん、おばちゃん、さくら、博たちが集まって寅さんの噂ばなしに花を咲かせていた。というのは数日前、「とら屋」におばちゃんの遠い親せきで和服の似合う美しい女性夕子が、事情あって寅さんの部屋に寝泊りしながら店を手伝っていたからだ。「寅がいたらまた熱を上げてしまう」というみんなの心配をよそに、寅さんがひょっこり帰って来た。寅さんは自分の部屋が誰かに貸してあるのを知るとカンカンに怒って外へ出ようとするが、現われた夕子を一目見るなり、たちまちのぼせ上り、旅に出るのはやめてしまった。「とら屋」に腰を落着けた寅さんのところにある日のこと、さくらの夫博が独立問題を相談に来た。それは、いい印刷工場の出ものがあるから、将来のために独立したいが、永年世話になって来た社長梅太郎にいいだしにくいから寅さんからうまく話してくれということだった。事情を聞いて寅さんは、「お前に向いている」とこの話に大賛成、翌日梅太郎のところに出かけた。そんな寅さんは梅太郎に、「博が会社をやめないように話して下さい」と泣きつかれ、義理と人情の板ばさみになった寅さんは、きのうの博との約束はどこへやら、胸をたたきこれまた二ツ返事で引受けたから話はこんがらがって来た。一方、博と梅太郎は話がまとまったと思い込み、その夜、寅さんを呼んで料亭でドンチャン騒ぎとなったが、酔うほどに博と梅太郎の話は喰い違い、結局、寅さんは二人に何も話していないことがバレてしまった。大もめの最中、博があてにしていた資金の調達ができないことが判明して、一応この話は一段落した。やがてみんなの心配通り、寅さんが、夕子に一層熱を上げ始めた。しかし、数日後、別居していた夕子の夫が「とら屋」を訪ねて来たことで寅さんの恋にも終止符が打たれた。夕子は売れない小説家の夫と逃げるように柴又を去り、寅さんもさくらに見送られて旅へ出た。明けて一九七一年。とある地方で、晴れ姿の娘たちを相手に、立て板に水を流すような名調子で売をしている寅さんの姿があった。

「男はつらいよ 純情篇」の解説

一昨年九月の第一作「男はつらいよ」から第六作目。渥美清、倍賞千恵子をはじめとするレギュラー・メンバーに、今回は寅さんに慕われる六人目の女性に若尾文子、その他森繁久彌、宮本信子らが出演する。原作・脚本・監督は「家族」の山田洋次。同じく「家族」の宮崎晃も脚本に参加し、撮影も同作の高羽哲夫がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1971年1月15日
キャスト 監督山田洋次
原作山田洋次
出演渥美清 倍賞千恵子 若尾文子 森川信 三崎千恵子 前田吟 笠智衆 太宰久雄 佐藤蛾次郎 森繁久彌 宮本信子 松村達雄 垂水悟郎
配給 松竹
制作国 日本(1971)
上映時間 89分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2020-05-10

そして,寅とマドンナとの待望の川辺のデートシーンでは,テーマソングにある「わたくし生まれも育ちも葛飾柴又です…」の語りの部分が飛び出し想わず唸らせるんだなあ🎵

最終更新日:2024-03-12 15:48:53

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