どですかでん 作品情報

どですかでん

電車馬鹿と呼ばれている六ちゃんは、てんぷら屋をやっている母のおくにさんと二人暮しである。六ちゃんの部屋には、自分で書いた電車の絵がいたるところに貼りつけてあった。彼は毎日「どですかでん、どですかでん」と架空の電車を運転して街を一周する。それが彼の仕事なのである。六ちゃんを始めとする、この街の住人たちは一風変った人たちばかりだった。日雇作業員の増田夫婦と河口夫婦がいる。二人の夫はいつも連れ立って仕事に出、酔っぱらっては帰ってくる。二人の妻も仲がよかった。ある日酔って帰ってきた二人はそれぞれの家を取り違えて住みつき、やがてそれが飽きると、もとの家に帰っていった。島悠吉はユニークな人物だ。彼の片足はもう一方の足より短かく、その上猛烈な顔面神経痙攣症の持病があった。彼のワイフはドラムカンのような図太い神経と身体の持ち主で、島さんのところにお客が来ても、接待はおろか、逆に皮肉をいうような女だった。かつ子という不幸な娘がいて、彼女は昼ひなかから酒をくらっている伯父の京太のために一日中つらい内職をしなければならなかった。伯母の入院中、彼女は伯父の欲望の対象となり、妊娠してしまう。そして彼女は突然何の関係もなく自分に好意をよせている酒屋の小僧、岡部少年を出刃包丁で刺してしまう。その他にも、この街には廃車になったシトロエンのボディに住みつく乞食の親子や、平さんという哀しい過去を背負った、中年の男、異常に浮気な女を女房に持つヘアー・ブラシ職人の沢上良太郎親子らが住んでいた。これらの貧しい人たちの生活や感情を交錯させながら今日も一日が暮れていこうとしていた。

「どですかでん」の解説

黒澤明五年ぶりの作品そして初めてのカラー映画とさまざまな話題を集めた、四騎の会製作の第一回作品である。脚本は「影の車」の橋本忍、「待ち伏せ」の小国英雄が共同執筆。監督は脚本にも参加している「赤ひげ」の黒澤明。撮影は「弾痕」の斎藤孝雄と「二人の恋人」の福沢康道が担当。1971年1月21日全国公開。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1970年10月31日
キャスト 監督黒澤明
原作山本周五郎
出演頭師佳孝 菅井きん 加藤和夫 伴淳三郎 丹下キヨ子 日野道夫 下川辰平 古山桂治 井川比佐志 沖山秀子 田中邦衛 吉村実子 三井弘次 三波伸介 楠侑子 殿村敏之 長谷川諭 小野久美子 柳下達彦 押田みか 松村達雄 辻伊万里 山崎知子 亀谷雅彦 高島稔 三谷昇 川瀬裕之 寄山弘 荒木道子 桑山正一 塩沢とき 芥川比呂志 奈良岡朋子 渡辺篤 藤原釜足 谷村昌彦 ジェリー藤尾 園佳也子 石井聖孝 貝塚みほこ 小島三児 根岸明美 新村礼子 牧よし子 桜井とし子 小野松枝
出演(声)人見明 江波多寛治 市村昌治 二瓶正也 伊吹新
配給 東宝
制作国 日本(1970)
上映時間 139分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-08-13

細野晴臣著映画を聴きましょうには黒澤明監督が盟友スティーブン・スピルバーグ監督に過剰な音楽サービスを嗜めたエピソードが在り興味を惹いた。本篇の武満徹の映画音楽は一体どうだったであろうか?モノローグや取り憑かれた如き少年の声がシンプルで居て豊穣カラフルな色彩と共に甦る

最終更新日:2024-08-23 16:00:02

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