黄金のパートナー 作品情報
おうごんのぱーとなー
フリーカメラマンの野口と白バイ警官江上はなぜかウマがあう。ある夜、野口のヨットの無線受信機が発信人不明のSOSをキャッチする。行きつけのスナックで二人が謎のモールスコードの話をしていると、氏家由紀子と名のる少女が口をはさんで来て、彼女は翌日から、野口のヨットに居候を決め込む。SOSの謎の解明に動きだした三人は、そのモールスコードは、なんと第二次大戦中の『日本帝国海軍G号暗号書』をもとにしたもので、現在の金額で十億円にのぼる金塊を積んでサイパン島沖に沈んだ潜水艦から発信されていることを、つきとめた。若い三人の血が騒ぐ。三人は富と夢とロマンを求めてサイパン島に旅だつ。そして、目的の潜水艦を捜しあてたが、そこには航海日誌が残されているだけだった。それによると、金塊はひそかに、日本に送り返されている……。旧日本軍のトーチカから由紀子の悲鳴が聞こえた。駆け込んだ野口と江上の見たものは、首を吊って死んでいる男の姿だった。「森明夫、私の父です」、由紀子は二人にすべてを打ちあげる。--昭和二十年八月十九日、軍秘密組織、南原機関の工作員TKとともに日本に金塊を運んだ由紀子の父は、一人占めを企むTKに撃たれ、サイパンで復讐だけを考えて今日まで生きてきた。謎のSOSを打ったのも誰かがキャッチして過去の事実をあばいてくれるのではという最後の望みを託してやったことだ--。TKこと神谷太郎は名を信博と変えて、現在、東明コンツェルンの黒幕であり、また東明大学理事長でもある。この日から野口、江上そして由紀子の新たな作戦が開始される。三人は神谷から莫大な金をゆすり取るが、由起子は敵に撃たれて死んでしまう。野口と江上は自家用機で仕事に出る神谷にセスナで体当り。神谷の飛行機は炎上、二人はパラシュートで空を舞った。
「黄金のパートナー」の解説
南太平洋の海底に十億円の金塊を積んで沈んだ旧日本海軍の潜水艦をめぐって、三人の主人公の活躍を描く。西村京太郎の小説『発信人は死者』の映画化で、脚本は「若い人(1977)」の長野洋、監督は「白夜の調べ」の西村潔、撮影は「岸壁の母」の市原康至がそれぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1979年4月28日 |
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キャスト |
監督:西村潔
原作:西村京太郎 出演:三浦友和 藤竜也 紺野美沙子 殿山泰司 芦田伸介 佐藤慶 日尾孝司 小林稔侍 中村伸郎 山本麟一 草野大悟 川口節子 記平佳枝 金内喜久夫 吉行和子 |
配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(1979) |
上映時間 | 98分 |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-06-18
この映画「黄金のパートナー」は、南太平洋に眠る十億円の金塊をめぐる青春冒険映画の佳作だ。
西村京太郎の原作「発信人は死者」のキャラクターを、脚本の長野洋が大幅に変更し、またミステリアスな部分をよりシンプルにして、ロベール・アンリコ監督、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、ジョアンナ・シムカス主演の青春レクイエム映画の傑作「冒険者たち」的な夢とロマンを重点に、ヒロインをはさんでの男同士の友情、二人に対するヒロインの関係などを爽やかに描き分け、西村潔監督の鮮やかな演出を得て、愛すべき佳作になっていると思う。
特に、藤竜也のリノ・ヴァンチュラぶりや、三浦友和のアラン・ドロンぶりは楽しく、二人が軽妙にじゃれ合うところなど、背景がヨット、海辺のスナック、あるいは船室、海上、サイパン島と、非日常的な空間だけに生き生きと呼応し合い、その洒落た感覚は捨て難い。