P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-10-09
今朝NHKラジオ深夜便・わが心の人コーナーは本篇原作の作家・森村誠一の想い出を作曲家・池辺晋一郎が語る。神戸市役所合唱団の唄う組曲・悪魔の飽食公演での緊張振り,市井の人の作家の熱意が浮きあがり
にんげんのしょうめいぷるーふおぶざまん
総合評価4.71点、「人間の証明」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
今朝NHKラジオ深夜便・わが心の人コーナーは本篇原作の作家・森村誠一の想い出を作曲家・池辺晋一郎が語る。神戸市役所合唱団の唄う組曲・悪魔の飽食公演での緊張振り,市井の人の作家の熱意が浮きあがり
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人間の虚栄と孤独の底から証明される人間そのものとは何かという原作のテーマを映画的サスペンスの世界で描いた角川映画が「人間の証明」だと思う。
この映画「人間の証明」は、角川春樹事務所の「犬神家の一族」に続く第2回作品で、製作が角川映画、配給が東映、興業(上映)が東宝という三者協力体制であり、これに撮影の現場を担ったスタッフの日活が加わっての日本映画界にとっては異例づくめでの公開でした。
原作は当時のベストセラー作家の森村誠一の第三回角川小説賞の受賞作で、脚本は当時としても異例の一般公募を行ない、結果としてプロの脚本家の松山善三が第一位となり、監督は「新幹線大爆破」等のサスペンス物を得意とする佐藤純彌、音楽に「犬神家の一族」やアニメのルパン三世でおなじみの大野雄二を起用し、このような多角的な角川旋風が、当時の沈滞していた日本映画界に新風を吹き込んだ事でも知られる作品です。
しかし、このような日本映画界にとっての異端児の作品に対する当時の評価は、「まとまりの悪い、消化不良の大作」、「ツッパリに見合う新鮮さもなく、中身は母もの悲劇」、「読み捨ての域を出ず、国籍不明映画」、「見世物多すぎ、焦点ボケ」等と厳しいものでした。 「見てから読むか、読んでから見るか」という言葉が、この映画の宣伝に使われていますが、個人的には、この映画の場合、まず原作を読んで、現在の東京とニューヨークを結び付け、更に太平洋戦争直後の傷跡に遡って、"人間の虚栄と孤独の底"から証明される人間そのものとは何かという事を沈思黙考して、ゆっくりと考える事が先にあった方がいいと思います。 原作の森村誠一が、この小説のあとがきの中で、「論理性だけでなく、人間性が犯人を討ち取るような推理小説」と書いていて、原作の本文中の「八杉恭子は、自分の中に人間の心が残っていることを証明するために、すべてを喪ったのである。棟居は、人間を信じていなかった。
だが決め手をつかめないまま恭子に対決したとき、彼は彼女の人間の心に賭けたのである。心の片隅で、やはり人間を信じていたのだ」という一節が、この原作の小説の重要なテーマだと思います。 そして、原作と映画の脚本とを比較してみると、主人公が原作の棟居刑事(松田優作)から、映画では八杉恭子(岡田茉莉子)に移っています。 また、映像美を強調するために恭子は女性評論家ではなく、ファッション・デザイナーに変えられています。 それから、ニューヨークの場面も車の追跡という映画的な見せ場も追加されています。 そして、特に、人間を証明するという最も重要な場面が、原作では、棟居刑事が恭子から自白を勝ち取るところに重点がおかれているのに対して、映画では、棟居刑事が自白を迫るガレージの場面から、更に、華やかな表彰式での恭子の告白、そして霧積での投身とそれを許す棟居刑事という場面にまで発展させています。
このようなテンポの早い映画的な展開も、原作を先に読んでいれば、非常にわかり易いと思います。 また、外国人スタッフだけを使ってのニューヨークロケもさほど違和感もなく、映画のラスト近くの、霧積からニューヨークへの映画的展開も実にうまいと思います。 そして、ケン刑事(ジョージ・ケネディ)の最後の死は、終戦の決着でもあるのかも知れません
NHKラジオの音の風景と云うショート番組の中で紹介された碓氷峠,検索するとジョー山中の唄う歌が流れるのも峠の道と関連
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松田優作氏が好きで中学生の時に観たけどあまり記憶になく、再度観ましたがダラダラと長い。無駄な場面を削れば2時間弱になるでしょう。岩城滉一さんの当時の演技がひどいです。みんな死んで終わりとは雑ですね。
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人間の証明をあらためて観て、とても感動した。私は昔、森村誠一さんの原作を読んで、これは素晴らしい作品だと思った。当時の宣伝に惑わされた訳ではなく、ほんとに見事に人間が描かれていると思った。それがきっかけで森村誠一さんの大ファンになると同時に、ミステリーの虜になったのだ。だから当然、この映画にひじょうに関心があったのだが、初めて観た時、あまりにも衝撃的だった。岡田茉莉子さんの演技が素晴らしかったからだ。ファッションの世界という発想も凄くいいと思った。岡田茉莉子さんが絶世の美女であることも、ファッションと見事にマッチしている。ラストシーンで岡田茉莉子さんが麦わら帽子を失くしたと話されるところは最高だと思う。私はこのシーンは飽きるほど繰り返し観ている。そしてまたあらためて観ても、ほんとに素晴らしいと思うのだ。この映画に流れる時間を通して、まさに人間とは何かをわかりやすく教えてくれる。最高のエンターテイメントというべきだろう。
👒主題歌も懐かしい森村誠一原作のmystery作品の映像化,佐藤純弥監督流のハードボイルドtouchなオールスターキャストで魅せるんだなあ
人間の証明を観たのはもう何年も前のことだが、今でも鮮明に覚えている。面白いだけでなく、人間とは何かという永遠の命題を投げかけた素晴らしい作品だ。