植村直己物語 作品情報
うえむらなおみものがたり
グリーンランドのシオラパルクに滞在し、3000キロの犬橇単独行を成し得た植村直己は、久しぶりに東京に戻って来た。彼は駅の階段で偶然出逢った女性と馴染みの店で再会した。そして数日後、その女性野崎公子に自分の著書をプレゼントする。それを読みながら、これまでの植村の人生を知る公子。明治大学山岳部で落ちこぼれだった植村は、卒業後4万円だけ持って、横浜より移民船で渡米した。だが、労働ビザが無いため、不法労働で国外追放され、フランスのシャモニーに渡る。そこで働きながらヒマラヤのゴジュンバ・カンII隆明大隊に参加、同峰初登頂に成功した。その時団体登頂は合わないと感じた彼は、その後、モンブラン、マッターホーン、キリマンジャロ、アコンカグアなどを単独で登った。1970年5月には、日本人として初めてエベレスト山頂に立った。3ヵ月後、北米最高峰マッキンリー単独登頂に成功、5大陸最高峰すべてを征服する記録をたてた。その後一般の職につくがどれも長続きせず冒険家として生きることに。そして、エベレスト国際登山隊に参加した後、陸地の冒険にきりかえ現在に至っていた。深い感動をうけて読み終った公子は、植村のプロポーズを承諾。1974年、二人は結婚した。間もなく、植村は北極圏12000キロの犬橇単独行を1年半近くかけて成し遂げた。彼の冒険熱は失せることなく、78年4月、寒さと戦い、危く白熊に襲われそうになりながらも、犬橇で北極点単独到達に成功した。その後、これを最後にと南極大陸横断計画をたてるが、フォークランド紛争のためアルゼンチン政府の協力を得られず断念する。そして、84年2月、マッキンリー冬期単独登頂後、消息を断つ。懸命の捜索にもかかわらず発見されず、日本政府は、死亡が確定的になった4月19日、彼の輝しい業績に対して国民栄誉賞を贈った。
「植村直己物語」の解説
世界的冒険家、植村直己の生涯を描く。原作は植村直己、脚本は岩間芳樹と佐藤純彌の共同執筆。監督は「空海」の佐藤純彌。撮影は「人生劇場(1983)」の並木宏之がそれぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1986年6月7日 |
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キャスト |
監督:佐藤純彌
原作:植村直己 出演:西田敏行 倍賞千恵子 大滝秀治 丹阿弥谷津子 井川比佐志 小林トシ江 山岡久乃 左とん平 岩本多代 古尾谷雅人 藤木悠 菅井きん 日色ともゑ 乙羽信子 磯部勉 草見潤平 塩野谷正幸 高月忠 青木卓 原吉実 小沢栄太郎 若林豪 山本圭 池部良 竹脇無我 辻萬長 伊藤敏八 倉田保昭 土師孝也 山田辰夫 樋浦勉 加藤善博 山野史人 ダグラス・ブレア ジョゼフ・バーク ピーター・グロスマン ウォルフガング・リンクマン ロミオ・マルツォー リック・チーマ トニー リーバイ ラリー セルジオ・アリオ |
配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(1986) |
上映時間 | 140分 |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-10-26
🫖NHKラジオ深夜便で再放送されたのが追悼・西田敏行アーカイブ。舌の記憶・味の記憶。本篇のような過酷なトレッキング体験も振り返り役者人生を見詰めた。70年安保世代の中で舞台で人間個人を深く凝視。故郷の干し柿の味や実母の後ろ姿と共に甦って来る掌の中の砂糖がけの大きな梅干しの記憶等も。ラジオ名作劇場の想いも