コミック雑誌なんかいらない! 作品情報

こみっくざっしなんかいらない

ワイドショウのレポーター、キナメリは突撃取材で人気がある。妻はコマーシャル・タレントだが、二人の時間帯はまったくかみ合わない。ハードなスケジュールで動くキナメリは、朝食ではパンにビタミン剤をはさんで食べている。その日も、成田から飛び立つ桃井かおりに、放送作家の高平哲郎氏との恋愛についてマイクを向けていたが、まるで相手にされなかった。しかし、ワイドショウの司会者はそのコケにされ方がいいと誉める。キナメリは、あるときは運送屋に変装して人気タレントを追い、バリ島から帰ってきた三浦和義を成田で待ちうけた。町を歩けば娘たちにサインを求められる。ある晩、キナメリは馴染みのバーに入ると、そこにはロックン・ローラーの桑名正博と安岡力也がおり、かつて大麻で捕ったときに、二人はキナメリに手痛い目に合わされたことがあった。二人はキナメリにからみ、店から追い出してしまう。キナメリの表情は思いを内に秘めたようにクールだ。松田聖子、神田正輝の結婚式が近づいており、キナメリは聖子の家に張り込み、彼女が喜びのあまり、風呂場で唄う「お嫁サンバ」を録音することに成功するが、電信柱に昇っているところを警官に捕ってしまう。警察ではこっぴどく叱られ、始末書を書かされるが、プロデューサーはどんどん過激にやれ、後の面倒は局が見るからとキナメリを煽る。キナメリは聖子・正輝の結娘式ではガードマンに殴られ、準備中と札の出ているフルハムロード・ヨシエに入って三浦和義にマイクを向けてコーラを浴びせかけられてしまう。彼は大阪に向かい、山口組、一和会の抗争の取材もする。その頃彼のマンションの隣りに住む老人が、セールス・ウーマンから金を買ったという話を聞く。疑問を抱いたキナメリは独自に、金の信用販売会社を捜索し始めた。その頃、キナメリの取材が行き過ぎということで、彼は夜の番組に移されることになり、風俗産業をレポートすることになる。その番組で、金の信用販売についてレポートしたいとプロデューサーに提案するが相手にされない。夜の新宿を歩くキナメリは、アルタの壁面のビデオで三浦が逮捕されたことを知った。ある日、ホストクラブを取材し、一日ホストを勤めた彼は、ある女に買われホテルに入る。女は激しく体を求め、終ると、金の替りに数百万円の金の証明書を彼に渡した。数日後、テレビのニュースで女がガス爆発で自殺したことを知り、彼はハッとして隣りの老人のドアを叩くが返事はなく、数日分の新聞がたまっていた。日航機の堕落を取材したキナメリは東京に戻り、金の信用販売会社、社長のマンションに向かうと、そこに二人組の男が現れ、取材陣の前で窓を破って中に入ると、アッという間に社長を刺殺してしまう。後を追って中に入ったキナメリも傷を負ってしまう。部屋から出て来たキナメリに、他の取材陣は室内の情況を訊くが、彼は口を開かない。取材陣がキナメリをののしると、彼はポツリと“アイ・カント・スピーク・ファッキン・ジャパニーズ”と呟いた。

「コミック雑誌なんかいらない!」の解説

聖子・正輝の結婚式、山口組と一和会の抗争、金の信用販売など85年の事件を追うテレビの人気突撃レポーターの姿を描く。脚本は「十階のモスキート」の内田裕也と高木功の共同、監督はピンク映画界の若手ホープと期待を集め、この作品が初の一般映画となる滝田洋二郎、撮影は志賀葉一がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1986年2月1日
キャスト 監督滝田洋二郎
出演内田裕也 渡辺えり子 麻生祐未 原田芳雄 小松方正 殿山泰司 常田富士男 ビートたけし スティービー原田 郷ひろみ 片岡鶴太郎 港雄一 久保新二 桑名正博 安岡力也 篠原勝之 村上里佳子 小田かおる 志水季里子 片桐はいり 橘雪子 趙方豪 三浦和義 逸見政孝 横澤彪 下元史朗 伏見直樹とジゴロ特攻隊 螢雪次朗 ルパン鈴木 池島ゆたか 藤井智憲 真堂ありさ しのざきさとみ 清水宏 長友啓典 川村光生 叶岡正胤 斉藤博 新井義春 桃井かおり おニャン子クラブ
制作国 日本(1986)
上映時間 124分

ユーザーレビュー

総合評価:4.75点★★★★☆、4件の投稿があります。

P.N.「ゆーさく」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2022-08-09

あの頃思い出すととても面白い映画。最初はゴールデン洋画劇場で見たっけ?終始ですます調の内田裕也も面白い。

最終更新日:2024-11-13 02:00:04

広告を非表示にするには